内容説明
「僕は、新しく社会人になったきみたちに社会のルールを説いているつもりだ。大いに遊び給え、大いに飲み給え。しかし、社会のルールは確りと守り給え」―職場や酒場、公共の場、家庭など、さまざまな場面での心構えを、自分自身の体験を踏まえて軽妙なタッチで諭す。成人の日、4月1日にサントリーの新聞広告として載った名コピー他から厳選した「珠玉の言葉」集。
目次
第1部 人生仮免許(二十歳の君に乾盃!(人生仮免許;一人前とは何か?;品性が良くなければ… ほか)
新入社員諸君!(ぼくたちの失敗;あわてず、おそれず;新入社員諸君! ほか))
第2部 サラリーマンよ、奮起せよ!(仕事を愛せ、プライドを持て;新入社員よ、甘えを捨てろ;情熱のない世界に青年が住めるだろうか;新入社員に関する十二章;チームプレーを大切に ほか)
著者等紹介
山口瞳[ヤマグチヒトミ]
1926年、東京に生まれる。国学院大学文学部日本文学科卒業。国土社、河出書房を経て、1958年寿屋(現サントリー)宣伝部に入社。開高健氏らの同僚とPR雑誌『洋酒天国』で編集者、コピーライターとして活躍したあと、1963年『江分利満氏の優雅な生活』で直木賞を受賞し、作家生活に入る。1979年『血族』で第27回菊池寛賞受賞。1995年8月30日、肺癌のため東京都小金井市のホスピスで死去
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感想・レビュー
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しゃんしゃん
7
近年ではサントリーの成人式コピーは伊集院静だが40年前は山口瞳が担当。終生、仮免許が取れなかった。この人生、大変なんだ、と結ぶコピーは秀逸。サラリーマン作家らしく極めて常識的ながら直球・ストレートで小気味良い心得集。小津安二郎監督の「人間は少しぐらい、品行は悪くてもよいが、品性は良くなければいけないよ」を通し酒を飲むエチケットの要諦だと言う。また深く生きるための第一の手がかりは、よく見ること、見たものに素朴な疑問を提出することではないか?具体的で事細かな心得が満載。この人生、大変なんだ。2017/09/03




