内容説明
「なぜ自分のことを好きになれないのだろう？」「なぜ不安になるのだろう？」「なぜ相手のことを憎いと感じるのだろう？」―人間は、どうしてかくもさまざまな悩みを抱えているのでしょうか。本書では、精神科医が、最新の精神療法の成果をもとにして、とくに現代日本における問題点を明らかにし、悩みを悩みとしてとらえて、きちんと解決する方法を提案します。自分をわかり、相手を知れば、こころ楽しく生きることができる。
目次
第１章 自分の「こころ」を理解する（なぜ人それぞれの「こころ」はちがうのか；そもそも「自我」とは何なのか ほか）
第２章 自分の感情の動きを知る（どうすれば楽しみや喜びを感じられるのか；怒りや悲しみの感情は、どんなときに生じるのか ほか）
第３章 愛と憎しみの心理がわかる（なぜ若者から恋愛感情がなくなってきてしまったのか；日本の結婚制度はどうなっていくのか ほか）
第４章 自分自身を大切にする（なぜ人は自惚れるのか；自惚れは人間に必要な感情なのか ほか）
第５章 こころ楽しく生きるコツをつかむ（気力がわかないときにはどうすればいいのか；どんな人が「自分はだめだ」と思い込んでしまうのか ほか）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chie
7
著者の臨床経験から、現代日本人が抱える悩み、ストレス、病理はどこから生まれ、どう折り合いをつければ良いのか解き明かされている。端的に、悩みは欲望から生まれる。自分の欲望をいかに自分の能力と見合ったものにするかには、自分を客観的に捉えることが必要とされる。本を読むだけでは感情交流の直接的関係を他者とつくれず、自己分析だけで自分のうつを治すのは、強靭な精神力を必要とするという著者の考えに共感した。この本を読んで考えた本の役割について忘れずにいたい。2017/06/24
