内容説明
1995年3月30日、国松孝次警察庁長官を3発の銃弾が貫いた。驚くべきことに、犯行を自供したのはオウム真理教信者の現職警察官だった。ところが、狙撃事件の立件は見送られ、被疑者は「放免」されてしまう。事件に深くかかわったとされるオウム信者も依然として逃亡中だ。国松長官はなぜ狙撃されたのか。犯人はなぜ逮捕されないのか。誰も書けなかった警察庁・警視庁の暗部を暴く衝撃の問題作。
目次
第1章 遺恨の原形
第2章 保秘の断裂
第3章 告白の封印
第4章 予見の密葬
第5章 不信の煽動
第6章 暴力の洞察
著者等紹介
谷川葉[タニカワヨウ]
1957年、東京都に生まれる。早稲田大学卒業と同時に新聞社へ。社会部記者として長年警察の捜査に接し、「警察の本質は公安にある」という結論に達する
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感想・レビュー
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かのこ
3
自分にとって特別な「国松長官狙撃事件」。事件の真相に迫るルポルタージュかなと思ったのですが、大半は警察機構内部の問題の追及だった。確かにこれまで知らなかった捜査の経緯も書いてあり「そうだったのか」という部分もあったけど、6章のもってまわった表現には目がついていけず、最後は流し読みに。2016/11/10
挙党協
0
国松長官狙撃事件そのものというよりはその捜査を巡るドタバタを描いた書。警察内部の権力闘争が捜査に歪みをもたらしたというのが主な筋だが、エピソードの面白さや警察幹部の行状を名指しで書く姿勢は好ましい。襲撃を恐れて居を転々とした警察庁刑事局長や酔って葬式でナベツネに絡んだという警視庁公安部長の話など楽しく読んだ。しかし内容の一方でニューアカ調の悪文に閉口。社会部記者の知的フラストレーションをこのような形で晴らすのはいかがなものか。立花隆は合作説(『ぼくはこんな本を読んできた』)を採っていたが違うのではないか。2017/04/02
3104
0
あわなかった2014/06/07