内容説明
大型ジェット機を飛ばすことは単純ではない。コンピューターやエレクトロニクスが進歩しても、パイロットの創造的思考は重要だ。きびしい気象、システム誤作動、エンジン停止、機内火災など非常事態が発生したとき、機長の瞬時の決断が飛行機の運命を大きく変える！大惨事を避けたため報道されなかった数々の事件、難局に立ち向かったクルーの行動を明かす！奇跡的に墜落から生還した感動のドキュメント。
目次
第１章 位置喪失、太平洋上の捜索
第２章 警告灯が…、バミューダ騒動
第３章 離陸すべきか、機長の決断
第４章 爆発！機体に大穴が
第５章 燃料ゼロ、最悪が重なる
第６章 ハイジャック、四分間の脱出劇
第７章 氷結、エンジン停止
第８章 急降下、制御不能
第９章 火山嵐との遭遇
第１０章 墜落寸前、生還
著者等紹介
スチュワート，スタンリー［スチュワート，スタンリー］
１９４４年に生まれる。ブリティッシュ・エアウェイズ（英国航空）で副操縦士、機長を３０年以上つとめ、Ｂ７４７型機の機長を最後に１９９９年５月に定年退職。飛行経歴のほとんどを大型ジェット機の操縦士としてすごした。エアフレート・エクスプレスという新設貨物航空会社でふたたび機長として飛行しているほか、インターネット・カフェも経営。工学修士と機長の経歴を生かし、航空関連の著書多数
十亀洋［ソガメヒロシ］
１９４７年、愛媛県に生まれる。東京大学工学部航空学科を卒業し、全日本空輸株式会社に入社。整備、運航の技術部門などを経て安全推進部に勤務中
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感想・レビュー
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さきん
20
ディスカバリーチャンネルにも航空機事故のドキュメンタリーが放映されていたが、そこと重なる。しかし、本書は、あくまでパイロットの正しい判断による生還を中心に解説。一番面白かったのは、一番最初の話の太平洋上でのセスナ機迷子の話、救助に向かったダグラス旅客機とセスナ機が通信や方形探索、手で太陽の角度を計算、燃料まき散らして位置を発信など様々な方法を駆使して位置がどこか探っていく。2020/07/26
ちーけん
0
本当に面白い一冊。エンジン停止、突然の火山爆発、機内火災などの異常事態が発生した飛行機で、機長やクルーが死力を尽くして墜落を防ぎ、生還した記録が10件、迫真の筆致で収められてます。すべて成功譚だから読んでいると快感を覚えるし、飛行機に詳しくなくても、作者の文章と視点がいいので、事態を完全に理解しながら読めます。人間は必ず失敗をする生き物であるということ、しかし飛行機がいかにそれを前提にして設計された安全な乗り物か、そして失敗を収束させ、乗り越えるのもやはり人間であるというのがよくわかる一冊です。2011/08/21
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