内容説明
航空機事故の原因の多くは、人間と機械の接点にある。人間が操縦の主導権を握ろうとするときに事故は起こりやすく、航空機事故の7割は人間のミスによる。人間よりコンピューターのほうが安全だ―人間のミスを徹底的に排除したエアバスの安全思想の根底には、コンコルドの伝統を受け継いだヨーロッパ的独創性と天才頭脳集団による洞察力があった。アメリカ機を追い抜いたエアバスの設計思想と、それを理解できずにいる日本の航空界の現状に迫る。
目次
第1章 中華航空、ガルーダ航空の事故が意味するもの
第2章 エアバスA320のコクピットに乗る
第3章 独創的なエアバス・システム
第4章 失速した日本の航空界
第5章 そして、再びトゥールーズへ
著者等紹介
加藤寛一郎[カトウカンイチロウ]
1935年、東京に生まれる。1960年、東京大学工学部航空学科を卒業し、川崎重工業に入社。その後、アメリカ・ボーイング社を経て、1971年に東京大学工学部航空学科助教授、1979年に同学科教授となり、1996年、同大学名誉教授。1996年から5年間、日本学術振興会理事。工学博士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideki Ando
1
エアバスの設計コンセプトや、経営の指針がわかりやすく説明されていた。エアバスからは外れるが、科学技術に関する記述ではゲノムももうすでに中枢から外れているような気がするが、航空ほどではないなと実感した。2010/06/27
キコ
0
ボーイングとエアバスの違いが知りたくて読んだ。なんとなくわかったが、専門的で難しかった。飛行機の基本的な知識をつけてからまた読みたい。2015/03/31
fakegrit
0
日本では非主流、世界では主流となっているコンピュータ手動の飛行機・エアバスについて。飛行機よりもっと大きな範囲で、機械と人間が担う「労働の比率」について深く考えた。著者の「コンピュータ手動の方が人間中心」という意見は新鮮で、説得力がある。2011/02/27
jinrikiplane
0
最近の筆者の悲観的な論調はここから来ているのか/エアバスと日本の現状についての良書。わかりやすい/MRJはどうなるんでしょうかねえ2009/04/07