内容説明
古代地中海に誕生したギリシア神話は、古くから、文学や美術、音楽の題材として取り上げられ、人々の心に人間の持つ限りない可能性やエネルギーを呼びさましてきた。ローマの影響を受ける以前の荒々しいまでの神々の息吹を伝えるとともに、人間の活力の原型ともいえる英雄たちのスケールの大きい活躍、そしてギリシア悲劇につながる人間の葛藤を三本の柱に、多方面からの解釈を紹介したギリシア神話の絶好の入門書。
目次
第1章 神々と人間、はじめの物語
第2章 夢と伝説の宝庫
第3章 死と再生、豊穣と祈りの物語
第4章 英雄たちの悲劇
第5章 ギリシア悲劇の系譜
著者等紹介
さかもと未明[サカモトミメイ]
1965年、神奈川県に生まれる。商社OLから漫画家に。わずか5年で連載十数本を数える売れっ子になる。鋭い心理描写とダイナミックな描線、そしてユーモアのあるセリフ運びに定評がある。本業のコミックにとどまらず、新聞、雑誌にエッセイ、小説、イラストを発表。愛に悩む若い男女読者の教祖的存在である
小堀馨子[コボリケイコ]
1969年、神奈川県に生まれる。東京大学文学部西洋史学科を卒業し、同大学人文社会学系研究科宗教学宗教史学専攻博士課程在籍。帝京平成大学、明治学院大学講師を経てロンドン大学大学院留学中。古代ローマ帝政開始期のアウグストゥス時代を専門とし、宗教の復興運動を包括的に捉える。古代ギリシア、ローマの宗教学的アプローチに高い評価が与えられている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月讀命
54
ギリシャ神話をマンガで教えてくれる本。ゼウス。アポロン。ポセイドン。エロス。ちょっととっつきにくいものは、最初、漫画で読んだほうがアラスジを解り易く導いてくれる。聖書然り、物理学然り。でも、ちょっと言わせてもらえば、この手の漫画は、線が多く濃淡があり、しかも描写的で芸術的な劇画調で描くのではなく、読書を主眼とするのであれば、『サザエさん』『ドラえもん』のように単純な絵にしてもらったほうがいいような気がしました。こんなふうに考えるのは、私だけでしょうか?・・・グロテスクな女性の裸体と欲情の描写が多いですよ。2013/04/03
nuit@積読消化中
53
入門書!と手に取ったが、ギリシャ神話限らず、世の神話というのは中々私には理解し難い(苦笑)。神々は自由すぎる!そして、人間の傲慢さ!英雄と言われる神と人間の合いの子らの話は、映画や本のような脚色満載でないためか何とも真に迫って逆にどぎつく感じました(苦笑)。がっつり勉強とまではいかなくても、これをきっかけにギリシャ神話をもっと知ってみたい。2017/05/24
たまきら
28
絵にくせがあるので好みが分かれるかもしれませんが、神々の気まぐれと人間のはかなさ、あさはかさが上手に対比されていてとても面白かったです。マンガの間に監修者の解説がある、という流れもわかりやすかったです。あ!さかもと未明さんだ。2021/04/08
ton
6
以前に書店の試し読みで印象的だったので再読。神話を漫画で分かり易く表現。読みやすく、神話についての興味を起こさせるのだが、手始めに系図をウィキってみて卒倒した(笑)複雑すぎて最早追いきれない(笑)。それにしても、神の誕生とその世界について不思議エピソードは面白いですね。仏陀にしても日本神話にしても、この手の逸話は独特の発想で興味をそそる。2017/08/14
頭飴
4
【漫画】ギリシア神話の主要なエピソードを漫画化した解説書兼入門書。 激情的ともいえる感情豊かな神々や人々、英雄のエピソードが豊かな絵とともに表現されていた。漫画だけでなく数ページに渡って字だけの解説も載っていた。 最後の方は駆け足であったがギリシア神話の世界観や価値観、おおまかな伝説は知ることが出来た。2023/05/18