内容説明
「音」に取り憑かれた店主が日々、何を考え、寝る間をおしんでどこをいじくり、休みもせず何にいそしんでいるのかがわかる驚愕の一冊。ジャズを知る者は脱帽し、ジャズを知らずとも、その凄さを垣間見て呆気にとられるはず。とにかく「音」一色の人生はハタから見ているに限る
目次
一枚のレコード
ベイシー・サウンドの夜明け
テキサス・スタイルの岩崎さん
375のホーンレンズはトタン屋根!?
音は見るもの
もっと低音を!!
スピーカーに喋らせろ!!
カウント・ベイシーの場合
菅野沖彦参上!
音を取り次ぐ〔ほか〕
著者等紹介
菅原正二[スガワラショウジ]
1942年、岩手県に生まれる。早稲田大学在学中、ハイソサエティー・オーケストラでバンド・マスター、ドラマーとして活躍。1970年、岩手県一関市にジャズ喫茶「ベイシー」を開店。日本一「音」の良いジャズ喫茶として、ジャズファン伝説の地となる。雑誌、新聞などに発表される独特のジャズ論、オーディオ論はすべて「ベイシー」の一角で書かれている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どりぃ☆
6
ベイシーを訪れたのはいちどだけ。そのあとすぐに休業期間に突入してしまい今に至る。ジャズ初心者の私にもフラットに話しかけて下さった貴重な思い出を振り返りつつ読んだ。幼少時代のエピソードからビッグバンドに打ち込んだ学生時代、店を開いてからの音楽・機材・交友関係まで多岐にわたる思い出の数々がぎゅっと詰め込まれた宝箱のような本であった。すこしキザな表現の後ろに、照れを隠すマスターの顔が浮かぶような、素敵なエッセイ。オーディオマニアでない私も楽しく読むことができた。お店再開の暁にはお邪魔しようと思いながら読了。2022/07/02
VAN
1
久々に本棚から引っ張り出して再読。その道ではかなり有名な一関のJAZZ喫茶「ベイシー」のマスターのオーディオとジャズに関するエッセイ集。このマニア度はいつ読んでも圧倒されるばかりです。言葉は表現する対象との関わりが深ければ深い程、ちょっとした違いを表すためのたくさんの言い方が生まれますが、この本を読んでいると、音に対する実に豊かなたくさんの表現が描かれており、読み進む度に、思わず聴きたくなり、一曲また一曲とかけてしまいました。2013/09/08
jazznet
1
この本もう3冊ぐらい買いましたが、何回も読み返すことのできるいい本だな。2012/05/09
こざる
1
ただ者ではない殺気に満ち満ちた奇書。トラブルシューティング系技術者として伸び盛りの頃(当社比)に読んだせいか、これまで最も影響を受けた本ベスト3にいまだに入っている。「よく読める奴が相手だと、“根拠”のないものに乗っていたり、“根拠”のないものをぶら下げていたりするとたちまちバレてしまい、笑いもののタネにされてしまう」(p.153)等々、真剣勝負の中からしか生まれてこない凄みのある言葉が満載されている。ジャズやオーディオはこの際ただの状況設定、どんな仕事でもその道を極める気さえあれば必ず得るものがある。
N・Y
0
これを読んで、岩手のベイシーに行こう!2015/09/18