内容説明
かつて、野球が純粋に「野球」であった頃、人々を魅了してやまなかったプロ野球が危機に瀕している。「巨人」という病理が球界を覆い、ファンの思いは金の亡者の前に踏みにじられようとしている。長年、プロ野球を卓越した視座で見続け、この憂うべき状態を予見、警鐘を鳴らしてきた著者が、数年来書き綴ってきたエッセイを今ここに集大成。本物の野球の見方、その醍醐味を語り、21世紀にファンを大事にし、ファンに愛される日本プロ野球の未来像を問う。
目次
プロローグ ジャイアンツが抱える長嶋茂雄という矛盾
第1章 「記録」はすべてを物語る
第2章 「選手の価値」を分かつもの
第3章 一流選手の「存在証明」
第4章 プロ野球をつまらなくしたのは誰なのか
第5章 「ジャイアンツ」であることの不幸
第6章 “ジャッジ”よ野球の主役たれ
第7章 ルールがないから悲劇は起こる
第8章 「普通の野球場」の幸福
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旗本多忙
14
この本もいつ頃読んだか忘れた。 ここの所、阪神は不甲斐ない試合ばかりだ。昨夜は辛うじて勝ったが、交流戦も残り2試合どうなるかだ。野球の本は沢山読んだ。小説というより、野球独特の選手のもつ心理とか駆け引き、選手獲得の裏側などに私は興味ある。野村監督の著書は結構読んだ。面白い!いま井上某の「阪神タイガースの正体」を読んでる。選手の戦いも興味あるが、その裏側?野球の隆盛と興亡にやはり興味ある。 本書とは関係ない事を書いたが、やはり野球の戦略は面白い(笑)
きら
3
プロ野球の様々な問題、あり方などを取り合げたエッセイ集。なかなか直球なタイトルだけど、巨人ネタだけで全ページということはない。ドラフト問題、誤審、選手個人のクローズアップなど多岐に渡る題材の選択で、300ページ越えのボリュームだったのでなかなか楽しめた。なにせ書かれた時期が10年以上前の本なので、イチローがまだ日本にいたり、松坂がデビューしたばっかりだったりと隔世の感もあるが、だからこそ余計に、本質的に日本のプロ野球が抱えてる問題は長きに渡ってほとんど変わっていないのだなあ、と感じた。2010/06/08
うたまる
1
日本のプロ野球界全般についてのコラム。良い点は、誤審問題やドラフト問題のように、既成メディア(なんとスポーツメディアさえ)が取り上げない視点で問題提起しているところ。一方ダメな点は、切り口の大半が「昔の方がいい」「メジャーリーグの方がいい」という懐古主義・欧米至上主義に彩られているところ。球音が聞こえる観戦もいいが、お祭り騒ぎのような観戦もまたいいとなぜ思えないのだろう。ガッツポーズを相手に対する侮辱だと固定的に見ずに、爆発的な喜びの表出だとなぜ見れないのだろう。2013/09/19
ねるろられ
1
コラム連載を本にしたものなのでさくさく読めた。一部を逆撫でしてるような題名だけど、プロ野球界全体への愛しさからくる憂いをこんな形で表現にしただけだろうと思う。だってどれも愛情に溢れてる文章だもん。2010/09/01
Eiji
0
強烈なタイトルだが、中身はプロ野球全体の話し。著者は、昔は巨人ファンだったが、今では本当に嫌いだそうだ。2002/02/28
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