内容説明
田中角栄がロッキード事件で逮捕されて10年、角栄がつくった中曽根政権は「田中曽根内閣」と言われるほど、「角影」の支配力は強大だった。だが、党内最大派閥であるにもかかわらず、首相を出せないという田中派内でくすぶっていた焦りが、ついに表面化。竹下登を中心とする創政会の旗揚げは、田中派の分裂のみならず、政界の世代交代を強く推し進めることになった。そこへ、角栄が倒れるという事態が起こる。権力抗争は一気に激しさを増した。
目次
第1章 「田中曽根」政権の思惑
第2章 「田中排除」の有名無実
第3章 田中派内の暗闘
第4章 金丸信“差し違え”幹事長の支配力
第5章 田中角栄、倒れる
第6章 竹下登の苦悩
第7章 中曽根康弘の挫折
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
202
80年代の政治の特に自民党内での政争が主に取り上げられていて、あぁあの人がこんな時にも出てるんだなと驚いたり、安倍晋太郎の演説がなんとなく安倍晋三にそっくりだなとか色々今の政治家と比べてみて面白く読めた。後世から見るとニューリーダーと呼ばれた方々の結末を知ってるがどういう感じでこうなったのか、続きが気になる終わりで良かった。2021/12/05
ほうすう
11
「小説吉田学校」「小説永田町の争闘」に続く時代を扱った読み物を探しているうちに見つけた本書。1983年暮れからの第二次中曽根内閣の時期を描いている。どちらかというと中曽根の印象は弱く、田中角栄をはじめ二階堂や金丸といった田中派の印象が強い。読み物的には序盤は少し退屈さを感じていたものの、中盤辺りから二階堂政権構想とその失敗・創生会の設立・病により倒れる角栄・創生会VS反創生会といった田中派内部の対立などが描かれ始めるとなかなか面白い。ちなみに本書は同著者の『永田町の暗闘』を加筆修正再構成したものとのこと。2022/01/07
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