出版社内容情報
【内容紹介】
「吉田茂……どうあってもぶち倒す!」昭和26年、サンフランシスコ講和条約調印後も総理大臣の椅子に居座る吉田茂。吉田打倒を謀る鳩山一郎、三木武吉、河野一郎。皮肉にも鳩山は病に倒れ、半身不随の身に。がんで余命いくばくもない三木は、鳩山総理誕生に賭けた!権謀と術数渦巻く政界は、さながら戦国時代の群雄割拠の様相を呈してきた!戸川猪佐武の『小説吉田学校』を、さいとう・たかをが劇画化。傑作戦後日本史第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
13
この巻はなんといっても三木武吉ですね。 漫画ならでは追加要素であるその時代の世相紹介がとても良いです。2019/10/27
とみやん📖
12
「鳩山一郎の悲運」が副題だが、内実は、「三木武吉の執念」。前半は吉田内閣の対日講和が中心。鳩山一郎についてはほとんど触れられていない。 それにしても、三木武吉の原動力はなんだったのだろう。緒方武虎、石橋湛山、大野伴睦、重光葵、河野一郎などなど、三木武吉の前にはみんな小物に仕立てられてしまった印象も拭えないが実際のところどうなのだろうか。55年も体制前夜のこの頃は、パージ組の復帰もあり、自由党以外にも権力闘争が激しく、その分また面白さもある。風景のカットが作品がよい。特に往時の数寄屋橋は最高。2022/10/09
KJ
8
引き際。大仕事を果たし拍手喝采の中、鮮やかに身を引く事が出来ればそれは確かに美しい。ただそれを阻む程に権力という麻薬は強い。一方そのしぶとさこそ吉田が事を成す力になった様にも思う。将に将たる器を持った鳩山であっても担ぐ人間がいなければ意味が無い。鳩山に惚れ込んだ三木の執念には鬼気迫るものがある。吉田とは話せば分かり合えたという三木。ただ鳩山内閣樹立という宿願を果たす為には寧ろ分かり合ってはならない。敵であり続ける為に憎悪の念を決して曇らせない。権力闘争は甘くない。ここまで軍師に徹し切れる生き様もまた熱い。2018/11/23
コリエル
7
表題は鳩山一郎となっているが、実際はそのキングメーカーとして暗躍した三木武吉が主役の巻。三木は鳩山に大器を見て彼を蔑ろにした吉田茂の追い落としに執念を燃やす。毛並みのいいおっとり者の坊ちゃんとして描かれているせいで、鳩山のどのへんに器を見たのか不可解だが…。離間策や離党復党での駆け引きなど、あの手この手の政治工作は凄いとは思う。でもやっぱり、そこまでして王にした鳩山やその孫にその価値があったのかは後世の視点からすると甚だ疑問なんだけどね。吉田と三木こそが本来組むべき人材だったのでは。2018/05/06
6 - hey
7
三木武吉がなんともコミカルで面白い第2巻。妾が常時5人前後いたのに、愛妻家っていうのがなんとも…(笑)しかし三木は書生も常に妾ほどの人数を抱えていたとか。こういう人はそういう微妙なバランスの上で生きているんだろうな~。2013/05/23