内容説明
犯罪心理学者として精神科医として多数の精神鑑定経験を持つ著者が、いつも抱く疑問がある。―犬や猫ですら仲間を殺さないのに、理性も感情もある人間が、なぜ殺人を犯すのか?―現代人の脳と心の奥には、狩猟時代の人類の祖先たちの血が流れ、「相手を征服し、勝利の快感を得る」願望があるからだ。ヒトという種に潜む本性に着目しながら、今までにない視点で凶悪犯罪の発生原因を明らかにする。
目次
序章 ヒトの本性とは何か
第1章 ある大量殺人事件
第2章 身体と意識が過敏になるとき
第3章 無意識の奥の人類史
第4章 深層心理に隠される攻撃衝動
第5章 禁欲と我慢
第6章 性犯罪者たちの行動分析
第7章 支配したい、飼育したい
第8章 血の銘酊
第9章 好奇心と攻撃性
第10章 鍵となる男性ホルモン
第11章 天才たちの狩猟的世界
終章 変化の時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIDUNA
1
海外のサイコパス関係の本と違って深層心理や隔世遺伝の観点から殺人を読み解くというのは新しい切り口で大変面白かった。訳書でもないのでとても読みやすかったし知識になった。2016/12/04
ふじやん
1
この本は、私のような素人でも読み易く書かれている。内容に関しては、表題通り、殺人や犯罪の実例から、人の攻撃性や支配欲といった事柄についての考察が述べられている。私が特に感心したのは、人の攻撃性が約200万年も続いた狩猟時代から来るものだと述べている点である。現代では狩猟は一般的ではない。代わりに様々な方法で興奮を得たり、快感を得たりする。ここで、狩りの対象の「倒錯」が起こり、ヒトに向けば、殺人になる。私達は、「犯罪や薬物に走ることなく、自分の本性にあった新しい未来の生き方を開拓」する事が必要なのである。2014/12/05
かんな
0
「本性」という言葉について考える。の巻〜(´ヘ` )2013/10/07