内容説明
人間の魂、自分の心の奥には何があるのか。“こころの専門家”の目であのグリム童話を読むと…。生と死が、親と子が、父と母が、男と女が、そしてもう一人の自分が、まったく新しい顔を心の内にのぞかせる。まだまだ未知に満ちた自分の心を知り、いかに自己実現するかをユング心理学でかみくだいた、人生の処方箋。
目次
第1章 魂のおはなし
第2章 グレートマザーとは何か―トルーデさん
第3章 母親からの心理的自立―ヘンゼルとグレーテル
第4章 「怠け」が「創造」をはぐくむ―ものぐさ三人むすこ
第5章 影の自覚―二人兄弟
第6章 思春期に何が起きるか―いばら姫
第7章 トリックスターのはたらき―忠臣ヨハネス
第8章 父性原理をめぐって―黄金の鳥
第9章 男性の心のなかの女性―なぞ
第10章 女性の心のなかの男性―つぐみの髯の王さま
第11章 自己実現する人生―三枚の鳥の羽
グリム童話
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
69
学生時代に読んだ。みんつぶで本書の感想を観て、旧友というか恩師に再会したような。学生に成り立ての頃は、高校生からのフロイト派。読み漁った。やがて因縁のユングへ。やはり読み漁り、河合さんの本も出る都度手にした。やがてユングからは離れフロイトに舞い戻ったが、河合さんの本には注視してきた。
Gotoran
32
昔話(グリム童話)のユング心理学的解釈、読み解き。人間の魂・深層心理が昔話を通して具体的に解説されている、数ある元型の中のグレートマザー、影、アニマ、アニムス、トリックスター等を用いて。最後に河合先生曰く「古来からの西洋と日本という対比のなかに、第三の道を発見するように努めることが、とりもなおさず現代に生きるわれわれ個々人の個性化の過程と重なってくるのであろう。」と。今回は、ここまで。より深くユング心理学を学んで、再び読むことにしよう。グリムも読んでみたい。2011/04/14
白義
25
アニマ、グレートマザーといったユング心理学の主要概念を、昔話を例に人間精神の自立、個性化というラインに沿って解説している。男性の中の女性的なものやその逆、一見否定的な悪徳や侵犯行為の創造性など逆説的なものを巧みに拾い解説していて、ユング的な物語の見方をする上で一番いい入門書である。巻末には元になった昔話の原典を収録していてお得感もある。物語解釈としても昔話の奇妙なところを含蓄に富む表現で言い表し、秀逸。表現も平易だが無意識の深淵性や昔話のイメージの象徴性など応用が聞きやすく深みもある2015/04/22
kaoriction@感想&本読みやや復活傾向
24
見ためやイメージから「絵本や童話、好きそう」と言われる(どんな見ためとイメージよ)が、実のところ、あまり好きではない。小さい頃、ひと通りは読んだ。絵本もいつも手に歩いていた。でも、何だろう、童話や絵本好きと公言するのがなぜか気恥ずかしい。心優しい道徳心に満ちた人ですよ〜 と言うようで。偽善的で。私の心はトゲトゲしていて、反逆的。童心なんてクソくらえ!なのだから。本書はそんな ほんわか 道徳心や教訓の押し売りではなく、私のようなひねくれ者の深層心理、「こころ」に寄り添い探る。巻末のグリム童話は矢川澄子訳。2020/10/05
カピバラ
19
河合隼雄さんの語り方は、わかりやすい。内容も、最後の物語を読むとより理解しやすく面白かった。2014/01/14
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