内容説明
岩だらけの農場も豊かな実りをもたらすようになり、エイブとエフィー夫婦には双子が誕生する。ロッキーリッジに平穏な日々が過ぎていく。ところがある日、農場付近をとつぜん竜巻が襲う。そして日照り、山火事がつぎつぎと起こり、農場もリンゴ園も傷だらけに…。牙をむいた自然の恐ろしさを思い知らされたアルマンゾとローラは、新たな決断を迫られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
42
すっかり安定してきたと油断していたら竜巻、日照り、大火事と災難が続く。つくづく農業というのは天候に左右される大変な仕事だと、農家の方々に頭が下がる。食べる事、口に入るまでのご苦労を考えさせられました。アルマンゾの両親から譲られた、町に近い家への転居するところで終わっていました。借金の為には、町で夫婦共働きを余儀なくされての事です。苛酷ともいえる状況の中で、夫婦仲の良い事が救いです。日照りの続く中、夜遅くまで畑に水遣りをするローラに、妻をそんなにも働かせたくないと言うアルマンゾ。素敵な夫です。2017/01/22
シュシュ
14
10歳の少女ローズの物語だけど、両親であるローラとマンリーに惹かれてしまう。『願いのかなう本』としてシアーズのカタログが出てきた。ローラは買いたいものをリストアップしたのに、結局は何も買わない。「男は、大好きな女の子に贅沢させてやりたいって思ってるもんなんだよ」ってマンリーが言ってくれたのに…。ローラの思う贅沢とは、マンリーが摘んでくる野の花や、マンリーの手作りの家具や、一緒に行く森の散歩で、「こういう贅沢がなかったら私は1日だって暮らしていけない」と言う。こういうことをきっぱりと言えるローラが好き。2015/01/31
kagetrasama-aoi(葵・橘)
8
新・大草原の小さな家シリーズ第四巻。ロッキーリッジ農場で暮らして丸二年、ようやく生活も軌道に乗り始めました。マンリーが”シアーズ”のカタログの本を持って帰り、ローラとローズはカタログショッピングを楽しみます。でも結局、ローラは「わたしは農家の妻でいることで、十分満足しているし、農場の借金を払い終えるまで、今ある者で生活していこう」と語り何も買わないことに。この場面、凄く好きです!(そう言えば、シアーズって現代でもありますよね!)結局、竜巻が来たり日照りになったりでこの年の収入は殆ど見込めず(続く)→2018/04/16
がんぞ
4
鉄道がもたらした西部開拓時代。電信も開通していてローラの少女の頃とは大違いだが農夫に冬の嵐の日以外は休みがないのは同じ(マンリーの親は日曜日は休む篤信者だった)。イジメがあるのも学校の先生に当たり外れがあるのも同じだが、自然と向き合う時間が長いから大きな悩みではない/子守は少し大きくなった子供の役割。竜巻で赤ん坊が降ってきたのには驚いた、実話だろう。今も変わらない気象条件下で農民は生きている。鉄道が原因の火事…/一番大きな悩みは現在と変わらぬ“カネの無いこと”、土地を自分のものにすることのできる税金は高い2018/10/24
Yuki Snowy
3
ロッキーリッジへ越してきて2年後,エイブとエフィーの結婚式の夜から。 線路の続く地平線の向こうへ思いを馳せるローズ,豚のしまつ,タモシャンター帽,クロウ先生。願いのかなう本。ブランチの誕生日パーティ。竜巻サリー。おじいちゃんとおばあちゃん。列車の転覆事故。雨の春と日照りの夏と火事。そして丘のむこうへ。 少女時代を終えて少しずつ大人になってゆくローズ。2017/11/20