内容説明
ロッキーリッジ農場に再び秋がめぐってきた。赤いリンゴの実をたわわにつけたよその果樹園をながめながら、「これがあたしたちの未来だわ。」と、ローズは思う。やがてクリスマスが近づいてきて、一家はそれぞれにプレゼントづくりに励む。ローズはお父さんからのびっくりプレゼントを想像して胸をふくらませるが、サンタから一度もプレゼントをもらったことのないスワイニーを見て、ある決断をする。ローラとアルマンゾの愛情につつまれて、ちょっとおとなになっていくローズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
46
ローラの子ローズの物語も3作目。まだまだ自然の脅威は続きますが、ローラが子どもだった頃よりは酷くないのが救いでした。兄弟姉妹が欲しかったローズですが、エイブとスワイニーという近所の親のいない兄弟と家族のような関係を持てるようになります。兄のエイブへの仄かな愛情から愚かな嘘をついてしまったり、弟のスワイニーがクリスマスプレゼントを貰ったことがないと知って、自分用のプレゼントの橇を諦める場面は感動的。アルマンゾとローラのような両親を持てた幸せ。ほっこりするお話でした。2017/01/22
はるき
27
自分より他者を優先することや、当たり前の日常に感謝すること。親が子供に伝えたい気持ちが素直に綴られている。ローズは様々な経験を重ねて成長していくが、大草原シリーズのファンとしては母ローラの人間的な成長が少し寂しくもある。2016/11/01
シュシュ
13
実り多い、移住して二回目の感謝祭。ローラは「神よ、私たちが最も感謝していますのは、平凡な毎日を送れるような、平凡な毎日のお恵みです。…」と感謝祭の祈りの言葉を言った後、遠くにいる両親や姉妹を思い出し涙ぐんでしまう。そして「肉を手に入れたのに、食べられない人がいる。肉が食べられるのに、手に入らない人がいる。でも、私は肉を手に入れることができて、食べることもできる。…」と、ローラの父さんの祈りの言葉を言う。ローズは嘘をついてしまったり、自分が貰ったプレゼントを譲ったり、いろいろな経験をして成長していく。→2015/01/28
kagetrasama-aoi(葵・橘)
8
新・大草原の小さな家シリーズ第三巻。ローズが九歳の一年間のお話。働き手として一人前に農場の仕事を手伝っている姿が逞しくて、微笑ましくて!町の子に引け目を感じたり、お金持ちの学校友達が羨ましかったり……と子供らしい感情も描き出されていて、とても楽しかったです。一番感動的なエピソードはやはりクリスマスのお話。涙が出ました。この年に新しい家を建てて引っ越します。この家の様子がテレビドラマの「大草原の小さな家」のローラの家にそっくり、ドラマ制作にマクブライド氏が携わっていることを後書で知り、納得いたしました。2018/04/09
kalera
4
ローズが成長して行く様子がみずみずしい。スワイニーへクリスマスのソリを譲った時の対応に顕著だけれど、アルマンゾとローラの父母としてのあり方がとても参考になる。2012/09/08