出版社内容情報
伊集院 静[イジュウイン シズカ]
著・文・その他
内容説明
人は何かを失って、何かを手にするのだ…。最後の無頼作家が贈る希望と勇気、励ましの一冊。
目次
第1章 月(あれから三十年が過ぎて;さよならは言わなかった ほか)
第2章 天(妻と死別した日のこと;若い時期にだけ出会える恩人がいる ほか)
第3章 心(青春の不条理;愛する人が残してくれたもの ほか)
第4章 風(人が人を信じるということ;旅先でしか見えないもの ほか)
著者等紹介
伊集院静[イジュウインシズカ]
1950年山口県防府市生まれ。72年立教大学文学部卒業。81年短編小説『皐月』でデビュー。91年『乳房』で第12回吉川英治文学新人賞、92年『受け月』で第107回直木賞、94年『機関車先生』で第7回柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で第36回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。16年紫綬褒章を受章。作詞家として『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』『春の旅人』などを手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひらちゃん
74
伊集院さんの本をはじめて読んだ。いろいろありましたね。歳を重ねると、身近な人がいなくなる。ペットはもちろん見送っている。深い哀しみや喪失感は誰に何を言われても、どうにかなるもんじゃない。ほっておくしかないには同意だ。時間が解決してくれるのを待つ。思いのほか読みやすく、小説も読んでみようと思った。人生は旅、教えられました。2020/07/07
さと
71
“いろいろあった”人生を振り返った時、自然にそう言えるのは悪くないなと思う。そう思える歳になったという事だろうが。自身が経験した様々な出来事(特に受け入れ難い事)に敢えて意味や答えを出すことなく、あったこととして綴られた一冊。だからこそ、自分自身の人生に重ね、救いや癒しとなって私たちの心に落ち着くのだろうと思った。人生において“優等生”ではないが、生きるものへの想い、情に篤い心が伝わるからこそ私などは時折“ご様子”を伺いたくなるのだ。2021/10/11
pdango
58
★★★☆☆時間が解決してくれる。いつか力になると信じよう。2019/05/20
Shoji
55
出版不況と言われますが、あの手この手で商売を仕掛けてくるものですね。ベストセレクションと副題がついている通り、既出の『大人の流儀』シリーズから集めたエッセイ集です。ですので、既読のフレーズが繰り返し使われています。『大人の流儀』初めての人や、繰り返し読みたい方にはお勧めです。そうでない方には、ご判断はお任せします。2018/03/26
黒猫
29
今までの大人の流儀のベストセレクションということで、よんだことがある文がチラホラ見受けられる。伊集院氏を読んで思うことは、プライド高そうだな、今の若者はっていい方どうなんだ?、金持ちしか銀座なんかで飲めないし、など何とも否定的なコメントになってしまう。しかしながら、フランス人の時間の過ごし方を学び、悩んだら旅に出ろと言う。最近の社会は黒か白かを過剰なまでに映し出すという趣旨に対する風潮には、金の価値に換算したら何もなくなりはしないか?という。おっしゃる通りだ。ついでに情報社会についても一石を投じて欲しい。2019/02/22