出版社内容情報
ゼロ年代以降登場した小説家たちは何を書いているのか? それは本当に新しいのか? 小説における「私」を根源から問い直す試み。小説の中の「私」とは、誰なのか?
新世代の小説家たちが切り開いてきた現代文学の新たな地平の持つ意味を、
小林秀雄以来の文芸理論を徹底的に検証しつつ探った、まったく新しい小説論。
「役割を終えた」近代文学を更新する!
渡部直己と私の対立の軸は「産出性=こう書くゆえに、世界はこう生まれる」と「再現論=世界がこう見えるから、こう書く」のいずれに軍配を上げるか、ということになるのだが、私は依然として、むしろ今や(今こそ)重要なのは後者、つまり「世界がこう見えるから、こう書く」「見たままを書いている」の方なのだと考えており、(中略)要するに「見たまま」ということ自体が変化しているのだ。そして「見たままを書いている」とは、すなわち「私が見たままを書いている」ということである。とすれば、この「私」もまた変化しているのではあるまいか。私が「新しい『小説』のために」で論じてきた「描写」や「人称」に続いて「私小説」を問題にしなくてはならないと思い至ったのは、これが理由である。
――第二部「新・私小説論」より
第一部 新しい「小説」のために
第一章 リアリズムの末流
第二章 『新しい小説のために』のために
第三章 近代文学vs近代絵画
第四章 「小説」の上演
第二部 新・私小説論
第一章 「私の小説」と「一人称の小説」
第二章 『私小説論』論
第三章 反(半?)・私小説作家たち
第四章 「一人称」の発見まで
第五章 いわゆる「移人称」について
第六章 新しい「私」のために
跋 批評の初心
あとがき
佐々木 敦[ササキ アツシ]
著・文・その他
内容説明
小説の中の「私」とは、誰なのか?新世代の小説家たちが切り開いてきた現代文学の新たな地平の持つ意味を、小林秀雄以来の文芸理論を徹底的に検証しつつ探った、まったく新しい小説論。
目次
第1部 新しい「小説」のために(リアリズムの末流;『新しい小説のために』のために;近代文学vs近代絵画;「小説」の上演)
第2部 新・私小説論(「私の小説」と「一人称の小説」;『私小説論』論;反(半?)・私小説作家たち
「一人称」の発見まで
いわゆる「移人称」について
新しい「私」のために)
跋 批評の初心
著者等紹介
佐々木敦[ササキアツシ]
1964年、愛知県名古屋市生まれ。音楽レーベルHEADZ主宰。映画、音楽、文学、演劇など、広範なジャンルで批評活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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