• ポイントキャンペーン

大学病院の奈落

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062207584
  • NDC分類 498.12
  • Cコード C0095

出版社内容情報

新聞協会賞受賞記者が書き尽くした、超弩級・医療ノンフィクション!大学病院で発生した18人連続死の背後にある「白い巨塔」の病理2014年、群馬大学医学部附属病院で手術を受けた患者8人が相次いで死亡したことが発覚した。
執刀したのは、40代男性医師・早瀬だった。
読売新聞医療部のエース・高梨記者は、この事実を察知。2014年11月にスクープ記事を放ったところから、医学界を揺るがす大スキャンダルがはじめて白日のもとにさらされた。
院内調査によって、さらに10人が死亡していたことが発覚。
技量の未熟な早瀬が、超一流外科医でも尻込みする言われた高難度の最先端手術に挑んだのはなぜなのか。
死亡例が積み重なるなかで、なぜ誰も早瀬の「暴走」を止めなかったのか。
その背景には、群馬大学病院内のポスト争い、学閥、セクハラ問題が影を落としていた――。
乱れ飛ぶ怪文書。
患者には知らされない、保険診療の闇。
旧帝大がいまだに力を振るう、医師会の勢力争い。
いまなおそびえ立つ、「白い巨塔」――。
高梨記者は一連の報道で日本新聞協会賞を受賞している。

プロローグ ある男性の死
第1章 「死亡率12%」の衝撃
スクープ記事/遺族は何も知らなかった/先生はいつもいない/苦痛に満ちた最期
第2章 パンドラの箱が開いた
学長選直前の不祥事/「全てにおいて過失があった」/弁護団が明かした新事実
第3章 院内戦争
第一外科vs.第二外科/有力助教授はなぜ外されたか/怪文書乱れ飛ぶ教授選/セクハラ問題/「俺は悪くない」
第4章 見えてきた真相
仕切り直しの調査/「手術ありき」だった/悪しき伝統
第5章 遺族の物語
第6章 技量不足が招いた悲劇
執刀医の技量/専門医資格のまやかし
第7章 功名心にはやる医師たち
「腹腔鏡手術」に挑む/功名心の代償
第8章 先端医療の落とし穴
新技術導入の盲点/繰り返される医療事故の歴史
終章 「完全なる変容」目指して


高梨 ゆき子[タカナシ ユキコ]
著・文・その他

内容説明

群馬大学病院第二外科で、患者18人が連続死していた!未熟な技量で高度医療に挑む「野心家」医師と、ポストに執着する教授たちが引き起こした惨劇。なぜ変わらないのか。なぜ変われないのか。終わりなき「白い巨塔」―。新聞協会賞受賞記者が書き尽くした、驚異の医療ノンフィクション。

目次

プロローグ ある男性の死
第1章 「死亡率12%」の衝撃
第2章 パンドラの箱が開いた
第3章 院内戦争
第4章 見えてきた真相
第5章 遺族の物語
第6章 技量不足が招いた悲劇
第7章 功名心にはやる医師たち
第8章 先端医療の落とし穴
終章 「完全なる変容」目指して

著者等紹介

高梨ゆき子[タカナシユキコ]
読売新聞医療部記者。お茶の水女子大学卒業後、1992年読売新聞社入社。山形支局などを経て、社会部で文部科学省、会計検査院を担当し、調査報道班で公費の無駄追及キャンペーンを手がけた後、厚生労働省担当キャップを務める。医療部に移り、医療政策や医療安全、医薬品、がん治療、難病などの取材を続ける。群馬大学病院の腹腔鏡手術をめぐる一連のスクープにより、2015年度新聞協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

125
群馬大学病院第二外科での連続死を取材した書物である。現代の白い巨塔の暗部が描かれる。 学長選、第一外科と第二外科の暗闘など、 医療組織としての病巣や、安全と先端医療との微妙なバランスなどが 丹念に描かれる。 なぜ変われないのか?という普遍的な問いが 全編に流れる…ノンフィクションだった。2022/01/10

キムチ27

60
医療ミス事件は21Cになり加速化した記憶があり、何が何やらの感があったがこの群大事件は手術死者が30余人、衝撃だった。筆者は読売新聞の記者。2015年のにスクープ賞受賞。文勢は静かな中にも鋭く、ほぼ一気読み。説明によると執刀医の中心DRが仮名になっているのはこの事件の本質をただ個人攻撃に終え、医療の暗闇にメスが入れられなくなろうであろうことを憂えてとある。功名心の代償・手段と目的が逆転・そして口を閉ざすDR達。都合のよい発表ばかりが目を引くコングレスバイアス。無念の死が医療の未来に一灯となる事を祈るばかり2017/11/15

Willie the Wildcat

58
医療機関の特殊性が齎す「閉鎖性」。問われるのは、もれなく患者本位の医療。先端技術故のリスクも、医師・患者の信頼関係次第。調査しなければ分からない死亡事例の妥当性。平均比較、10倍?!保険のグレーゾーンの件は、組織風土にも依存。印象的なのが、”カラ手術”に”ラーニングカーブ”などの合理的文言。論理性に一理も、流石に人の命を預かるSMEとして口にしていいのかなぁと疑問符。どうにも倫理観に欠けている気がしてならない。2017/12/28

AICHAN

49
図書館本。昨年12月に予約してようやく手に取った。2010年から2014年にかけて、群馬大学医学部附属病院において、腹腔鏡手術後8人が死亡した。高難度の肝臓切除手術だった。執刀したのは同一医師。この医師は普通の開腹手術でも10人もの患者を死亡させていた。不可解な手術死が続発していることを知った読売新聞医療部記者の著者は、その事実関係と原因を探り始める。わかってきたのは、未熟な技術の医師が高難度な手術を執刀し続けたという事実だった。それは病院内の競争のためだった。大学病院には絶対にかかりたくないと思った。2018/06/10

おかむら

44
「腹腔鏡手術後8人死亡、同一医師が執刀、群馬大病院」。2014年の読売新聞スクープ記事を掘り下げたノンフィクション。医師個人の技量の問題だけというより、背後に大学病院の医師の働き方、医局間の争い、新しい術式への功名心、保険診療点数の問題、と患者にしたら全く関係ないしがらみだらけで腹立つ! 特に第2章「院内戦争」は白い巨塔やドクターxの世界。ドラマと違って名医がいない分、より愚劣。群大だけでなく、都会と違って田舎はやはり大学病院が一番いい病院という信頼感があるけど、大いにぐらついたわー信頼。2017/10/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12129597
  • ご注意事項