散り行く花

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散り行く花

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062206921
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「僕には罪を背負った女の匂いが見える」美人画で有名な人気絵師が圧倒的な論理で女性たちの犯罪に迫る。本格ミステリの新たな傑作!止むに止まれぬ動機から女性たちが犯した犯罪。彼女たちの前に現れたのは、美人画で有名な人気絵師だった。「その美を僕の手で永遠に残してみたい」とモデルを頼む一方、幾重にも隠したはずの罪にも巧みに迫っていく。思いもよらない一点から論理的に真相が導き出される鮮やかさ。「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作家がついに書きえた新たな傑作!

徒花ノ微笑
躑躅ノ毒
瓜ノ顔
柚ノ手
蜜柑ノ種
徒花ノ微笑(承前)


伽古屋 圭市[カコヤ ケイイチ]
著・文・その他

内容説明

それは女性がいま以上に窮屈に生きざるを得なかった時代―「僕には、罪を背負った女の匂いが、見えるのです」美人画で有名な絵師が告白する相手とは。一度も愛情をもてなかった寝たきりの夫に不実を責められた妻。父親の借金のかたに自分を売りとばした女衒と運命の再会をした遊女。折檻を受け続けた挙げ句、いまでは父から粘つく目で見られている娘。「家族みんな死んじゃった」と告白した後、ひとり北へと旅立った妾。年間ベスト級の哀切極まる傑作ミステリー!!

著者等紹介

伽古屋圭市[カコヤケイイチ]
1972年大阪府生まれ。公務員退職後、『パチプロ・コード』で第八回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し2010年にデビューした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

223
連作4話。その4話目『密柑ノ種』を読んで「ほぅ」と唸った。帯もそそられる。美しいタイトルに絵師・茂次郎の存在がなんともな感じだ。「この世で最も美しいのは人を殺めた女性です」これは絵に憑りつかれた男・茂次郎の物語だったのだなぁ。正義は無用とある。そういう事なのだ。お初の作家さんだったが読み友さんのお勧めも肯ける。面白く読みました。2019/01/21

❁かな❁

200
素晴らしい!大正時代を舞台にとても雰囲気のある端正で美しいミステリ。罪を背負った女の匂いが見える美人画の絵師・茂次郎。妖艶で美しい女たちをモデルに絵を描きながら謎を解き明かしていく。プロローグから惹き込まれる。各章秘密があり茂次郎が飄々と語りかけながら鋭く自然に罪を暴いていくのが気持ちいい。文章から艶麗さ、危険な色香、背徳感を醸し出される。完成度が高く見事騙されてしまう。罪を犯すしかなかった背景が切ない。シリーズ化希望!未読の方は是非手に取ってほしい。静謐な世界に誘われ、端正なミステリに魅了されるだろう。2018/04/23

しんたろー

172
伽古屋圭市さん初読み。全く知らない作家さんだったが、読友さんの絶賛が多かったので気になって…読み始めて直ぐに大正時代の何処か優雅で退廃的な雰囲気に惹き込まれた。4つの短編は様々な事情から罪を犯し、哀しい業を背負った女たちと不思議な画家のやり取りが心を捉えて離さない。倒叙形式のミステリになっているのでドキドキしながら、彼らの儚くも粋な会話に魅了された。女たちにもっと共感できるシーンがあれば…と、上手いからこそ、つい欲張ってしまう。連城三紀彦さんが好きな人には喜ばれる作風で、是非ともシリーズ化して欲しい。2018/05/21

nobby

171
これ、スゴい!「僕には、罪を背負った女の匂いが、見えるのです」という美人画絵師 茂次郎と女達を描く連作短編。まずは大正という時代ならではの雰囲気と、艶美な女性達が抱える穢れや背徳な要素に引き込まれる。プロローグでの絵画との出逢いから、あまり関係ない逸話と思わせておいて、いつのまにか夢から醒めたが如くエピローグに繋がる構成はお見事!各短編読み進めて、なるほど気付くそのミステリな趣向に加えて、終盤に差し掛かり幾重にもタダでは転ばない事実が明かされる衝撃は絶品!無知な自分は読後の検索でその正体知ってまたニヤリ♪2018/05/09

🐾Yoko Omoto🐾

152
素晴らしい作品に出会った。舞台は明治後期から大正。決して誰にも語れぬ罪を秘め生きる女たちの前に現れ、その罪からの解放を促すのは人気絵師の茂次郎。「罪を背負う女の匂いが見える」彼は、鋭い洞察力と観察力を元に女たちの秘匿事を丸裸にしてゆく。さながら京極堂の憑き物落としを彷彿とさせるその行動は妖しくも爽快。各章に施された華麗なトリックと伏線はどれも出色の出来で、流麗な美文や時代背景とも相まって実に端正で美しいミステリに仕上がっている。白眉はその真相に唸る「瓜の顔」。ストーリー構成、タイトル含め文句なしの秀作。2018/04/01

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