出版社内容情報
寄藤 文平[ヨリフジ ブンペイ]
著・文・その他
内容説明
何かをつくり出したいと思っているすべての人へ。イラスト、デザイン、広告から装丁まで、さまざまな形で活躍する寄藤文平の体験的仕事論。
目次
第1章 デザインの仕事をはじめた時(父と一緒にデッサンを描いた原点;予備校の先生に教わったこと ほか)
第2章 デザインの仕事はどう変化してきたか(デザインとプレゼンをめぐる社会の変化;デザイナーとストーリーの関係の変化 ほか)
第3章 アイデアはどのように形にしてゆくのか(絵やデザインを成長、成熟させるということ;作る時間が二割、考えを「待つ」時間が八割 ほか)
第4章 ブックデザインの仕事とは何だろうか(ブックデザインとは「批評」である;カバーにイラストを使うということ ほか)
第5章 デザインの仕事を続けていくということ(何かをつくり出す仕事と組織;デザインは「秩序を考える学問」のような面もある ほか)
著者等紹介
寄藤文平[ヨリフジブンペイ]
グラフィックデザイナー。1973年生まれ。1998年ヨリフジデザイン事務所、2000年有限会社文平銀座設立。広告やプロジェクトのアートディレクションとブックデザインを中心に活動
木村俊介[キムラシュンスケ]
インタビュアー。1977年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
若布酒まちゃひこ/びんた
26
本の表紙は批評だと言い切ってくれたのがよかった2017/09/12
ま
20
最近気になっている寄藤さん。気づけば今まで読んできた結構な数の本がこの方の装丁だったりする。本書は仕事について語ってもらったものだが、作風に反して近寄りがたいオーラを個人的には感じた。でも「デッサンの作業を通してものの考え方を見直す」とか「絵は、重なり合った意味を固めずに伝えられる素晴らしさがある」とか「『構造的な問題』もかつては構造的になれるくらいうまくいくシステムだったに違いないんです」とか示唆的な文もちょこちょこ発見。東京五輪エンブレムについての見解も面白かったです。2022/02/07
booklight
11
寄藤さんの仕事にはいつも違和感を感じていた。JTの「大人のマナー講座」とか。大学教授の父親や学生運動をしていた予備校の先生からの影響で、あえて反対の立場をとって対話を重ねることで本質を掘り下げる、そういうコミュニケーションをしているというところで納得。若干露悪的で微妙に迎合しない作風もそこにあったんだ。狭義でのデザインの力と、そういった構築性で、今の仕事のクオリティを作ってきたんだなぁ。文章でデザインのことを書きつつも、文章では描けないこともわかって書いているので、デザイナーの感じ方の勉強になる。2018/11/18
nizimasu
8
寄藤さんの本も結構辛口で本音が詰まっているからつい読んでしまう著者の一人。この本は買ってからずいぶんと読んでいなかったけど根本的なデザインに対するスタンスが拝聴できてこれまたあっという間に読んでしまった。前半は博報堂時代の丁稚奉公のような仕事の様子。そこからフリーになってからの話。中でもJTの広告の話と装丁については具体的な手の内まで明かしていてこの生業に関わる人だったら目から鱗の話が多いかもしれない。この出し惜しみのなさを考えたらかなりリーズナブル。もう一回アイディアに煮詰まったら取り出したい本かも2018/12/07
かやは
8
デザイナー寄藤文平氏の自伝的エッセイ。理想主義者的父親、現実主義者の先輩、正反対の人との関わりを通じて著者は自身の感覚を身につけていった。過ごす環境と周りの人間が与える影響の強さを思う。デザインにおける本当に細かな差異。ピクトグラムの股間に丸があるかないかで印象はガラリと変わるという事実に唸ってしまう。シンプルであればあるほどその差は大きい。デッサンで身につく物の見方。絵を描くことを学ぶことで、物事を言葉で確定させることなく、ふわっとしたまま捉えることができるようになる。 2018/04/10