出版社内容情報
女は娼妓からのし上がり、学士だった男はタコ部屋での労働で人生を変える。運命に抗い、自らの道を切り拓いていった女と男の物語。上原沙矢は、一人特急オホーツクにのり網走を目指していた。遠距離恋愛中の恋人が隣にいるはずだったが、急な仕事で来れなくなってしまったのだ。沙矢は途中にある金華駅で「常紋トンネル殉難者追悼碑」を、そして網走で出会ったある本により、北の大地にいきた女と男の人生を知ることになる。
大正三年。八重子は一人息子の太郎を知人にあずけ、遊郭「宝春楼」で働くために東京から網走へ向かっていた。本州と北海道を繋ぐ青函船の中で、一人の青年と出会う。この青年とはのちにも巡り会うが、そんなこととはお互い想像もせず、それぞれの行き先へ散っていく。
初見世も終わったある日、知人からの手紙を同じ遊郭の百代に読んでもらった八重子は、太郎が死んだことを知る。この日から八重子は変わる、何が何でもトップにたつのだと――。
青函船で八重子と出会った白尾麟太郎は、どういう運命の巡り合わせか、タコ部屋で働くことになる。それまでの裕福で満ち足りた生活とは一変し、生きのびることで精一杯だった。
八重子と麟太郎は過酷な運命にさらされながらも、己の生きる意味を見いだしていく。
そんな彼らの生き様を知った沙矢も、自分の生き方に一筋の光を見いだすのだった。
蛭田 亜紗子[ヒルタ アサコ]
著・文・その他
内容説明
大学生の上原沙矢は、恋人と行くはずだった旅先で出合った書物と石碑により、北の大地で娼妓として生き抜いた女たちと、タコ部屋で働いた男たちの存在を知る。―大正3年、網走の妓楼「宝春楼」へやってきた八重子は、知人に預けた最愛の息子の死を知り、いつかこの妓楼の頂点に立つことを誓う。裕福な生活を送っていた帝大生の麟太郎は、己の甘い考えによりタコ部屋に送られることになり、人生が一変する。北の果ての大地で、貧しさに打ち震えながら生きる女と男は、逞しく己の人生を切り拓いていく。そんな彼らの生き方を知った沙矢は、自分の行く末が見えない不安の中から、一筋の光を見いだす。新世代の大河ロマン誕生!
著者等紹介
蛭田亜紗子[ヒルタアサコ]
1979年北海道札幌市生まれ。広告代理店勤務を経て、2008年第七回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞。2010年、『自縄自縛の私』(受賞作「自縄自縛の二乗」を改題)を刊行しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miww