地鳴き、小鳥みたいな

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地鳴き、小鳥みたいな

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  • サイズ B6判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062202879
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

独特の文章で、愛猫のこと、土地の記憶、過去のできごと、哲学的な思索、生を描くなかでの死の気配などが綴られる魅力の最新短篇集。甲府盆地の中心より南にくだったところにある母の実家の町。子ども時代の記憶を確かめようと訪れ、土地の描写のなかに、「あなた」と呼ぶ女性とのやりとりが綴られる。(表題作「地鳴き、小鳥みたいな」)

夏。K先生の訃報。若い友人の死。20代で出会ったある先生との忘れがたい対話。枯れて見えたその先生から聞かされた性欲をめぐる話が意外で、20代の私はただ驚いた(「夏、訃報、純愛」)。

ほかに「キース・リチャーズはすごい」「彫られた文字」を収録。
記憶の体感を綴る4篇。最高の、久々の短篇集。

夏、訃報、純愛
地鳴き、小鳥みたいな
キース・リチャーズはすごい
彫られた文字


保坂 和志[ホサカ カズシ]
著・文・その他

内容説明

この本の中の短篇のどれかが、読書がいままで言葉にしたことがなかった思いに届き、それと響き合うことができたら、著者としてこんなに嬉しいことはない。記憶の体感を綴る4篇。最高の、久々の、短篇集。

著者等紹介

保坂和志[ホサカカズシ]
1956年、山梨県生まれ。鎌倉で育つ。早稲田大学政経学部卒業。90年、『プレーンソング』でデビュー。93年、『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年、『この人の閾』で芥川賞、97年、『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2013年、『未明の闘争』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じょんじょん

26
読み始めると、すんなりはいってこない文章に戸惑う。難解なと思った。この違和感は昔感じたことが、そう樋口一葉の「たけくらべ」を読んだときだ。読点でつながれた長い文章は、句点というショートゴールが見えない。ストーリーがイメージできないままに、2編目のタイトル作品に読み進むとさらに困惑。そこで文脈の理解を放棄、気の置けない人とのおしゃべり(会話ではない)で、頭にうかんだことを思いつくまま口にする、そんな状況を想像し、作者のおしゃべりに相槌をうっていると3編目はするすると頭にはいり出ていった。キースもサザンも好き2016/12/06

しゅん

18
「エロスはそのまま死で、幼児の私にとって死はすこしは知っているがエロスは知らない、その二つは同じものとして心で反応した、幼稚園の子どもの知ってる死というのはどういうものなのか、死は何度でも起こることなのか、一回限りのことなのか」。エッセイと小説の区分けが全く意味をなさない四作を収録したこの短編集には、不思議と性の匂いがする。更に不思議なのは、性と古い記憶が結びついていること。だから、例えばサザンの歌について書いている箇所にも危うい性の匂いが漂う。読んでてやたらドキドキした。2017/04/30

フリウリ

15
「あなたが拠り所と思っているところこそがあなたを裏切るのです。」(p136) 「地鳴き〜」は「女性」が出てきて、おやっと思い、「キース・リチャーズはすごい」でのデレク・ベイリーのくだりは、句読点のあいまいな文章はフリージャズの作法かな、と思い(ベイリーで猫が神経質になるのはおもしろい)、同時に、ちくま文庫版、井上訳の「失われた時を求めて」の文体を想起しました。小島信夫の名前が何度か出てきます。「私はキース・リチャーズがはじめてやってみせた。」(p148) 82023/12/12

pohcho

13
エッセイのような小説四編。日々の出来事と、とりとめのない思いが延々と書き連ねられている。ぼんやりと考えているようなことをすべて文章にしてしまうところが、いつもながらすごい。語り手=ホサカ自身だと思っていたら、浮気相手と旅行に行く話が出てきてドキッとしたけど、ここは創作だよね?「珈琲のことば」は読んでみたい。2016/12/21

勝浩1958

12
考えたことを原稿に書いているというより頭に浮かんだことをそのまま原稿に書いている印象を得ました。話はどんどん脇道に逸れてすごく遠回りをしながら最後は落ち着くところに落ち着くといった感じです。保坂氏のお気に入りのデレク・ベイリーをYouTubeで聴いてみましたが私には不向きでした。保坂氏はジャズではフリージャズでおそらくメロディーが印象的なものよりジャズに明るくないひとが聴いたなら雑音にしか聴こえないものを好まれるのですね。まあ、保坂氏の文章もだんだんそのような雰囲気を醸し出してきました、でも好きですよ。2017/02/19

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