出版社内容情報
戸森 しるこ[トモリ シルコ]
著・文・その他
佐藤 真紀子[サトウ マキコ]
著・文・その他
内容説明
そいつの名前は、秋山璃在。ぼくたちの学年で、リアルを知らないやつはいない。なぜって?リアルはすごいやつだから。学年一の人気者。ナンバーワンでオンリーワン。璃在。たしかに、それはあいつにふさわしい、かっこよくて勢いのある名前だった。講談社児童文学新人賞受賞作!
著者等紹介
戸森しるこ[トモリシルコ]
1984年、埼玉県生まれ。武蔵大学経済学部経営学科卒業。『ぼくたちのリアル』は、第56回講談社児童文学新人賞受賞作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめか*
72
小学生の頃に戻ったような気分で楽しかった。自分には取り柄がなく地味キャラと思っているアスカこと飛鳥井くんと、親切でイケメンで勉強も運動もできてモテるクラスの人気者・リアル。幼馴染ながら隣にいるとしんどくなってリアルのことはそんなに好きじゃなかったが、サジが転校してきたことで3人ともに仲良くなっていく。人気者で人前で涙を見せないリアルも、心の中には抱えているものがあって、サジも言えない秘密をもっていた。放送室ジャックとか不登校の女の子に押しかけたり、自分たちの手で何かを変えていく彼らが懐かしく眩しく思えた。2021/09/06
がらくたどん
70
しるこさんのデビュー作。学年一の人気者秋山璃在(りある)と彼の幼馴染枠であることにモヤモヤを抱える渡と璃在への憧憬を隠しきれない転校生サジの小五の春から夏を描く。外から見える姿の奥にそっと隠れている「リアル」を怖がらず諦めずに真直ぐに見つめる事ができたなら見える世界はもっと風通し良くなるかもしれない。「すごい奴」にだって弱さはあるし「ヤナ奴」にだって良いところはある。憶測や思い込みの霧を払ったら違う現実が見えるかもしれない。「平凡少年」を自認する渡君の内言と観察眼によって無理なく視野が拓かれる善き児童文学2023/09/04
夜桜キハ
52
去年の校内ビブリオ優勝での作品だったため手に取りました。完璧模範少年、リアル。自分に自身がないアスカ。転校生、サジ。その三人の友情話と言ったら簡単にまとめられますが、実際はもっと深く清々しく細かい素敵な物語です。リアルにも人には言えないことがある。みんながリアルを褒めるから「大人の顔」をしてしまう。そして、サジも人には言えない秘密があるけれど……。多様性に関しても取り入れられており大人でも充分考えさせられると思います。リアルと同じ年齢の時に読みたかったですね……。リアルとアスカ。特に二人の友情が好きです。2023/06/10
ぶんこ
41
リアルとアスカとサジの友情物語。5年生とは思えない大人な3人。親にとってはもっと大人に甘えて、子供っぽい子であってほしいという気持ちがあるのではと切ない。リアルの死への恐れと母への気持ちを思うと、元気いっぱいで、何でも人より出来て、バレンタインには大きな袋を持ち帰るリアル君が複雑。きっと甲斐先生も複雑な思いで見ていたのでは。劣等感でいっぱいだったアスカですが、いい子!です。サジ君が居てくれたことの重みが最後にわかる展開で、素敵な友情にグッときました。しかし、この本を課題図書としての感想は難しそうです。2018/06/22
Hidetada Harada
39
「自分の気持ちに素直になれ」とか「人の気持ちを考えろ」とか安易に言いがちだけど、でもそれってすごく難しいことなんだと思いました。たぶん自分一人では無理で、誰かが必要。思わぬ所で思わぬ気づきに出会えました。2017/08/11
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- 和書
- 唄う海賊団 創元推理文庫