出版社内容情報
ひとりになりたがるくせに寂しがるんだね――小林賢太郎が贈る、大人のための児童文学。“あの森に行ってはいけません。うるう、うるう、とないている、おばけが出ますから”
転校したての僕は、先生の言いつけをやぶり、
おばけが出るという森の奥へ迷いこんでしまう。
そこで出会ったのは、不思議な、「あまり1」の人間。
世界からはみ出したひとりぽっちの存在、『うるう』だった......。
おかしくて、美しくて、少し悲しい、ある友情の物語。
小林 賢太郎[コバヤシ ケンタロウ]
著・文・その他
内容説明
うるう年のうるう日のように、「余りの1」が世界のバランスをとることがある。人間もそう。世界でたったひとりの余った人間「うるうびと」。彼が少年と友達になれなかった本当の理由とは…。小林賢太郎が贈る、おかしくて、美しくて、少し悲しい、ある友情の物語。
著者等紹介
小林賢太郎[コバヤシケンタロウ]
1973年生まれ。神奈川県出身。多摩美術大学卒業。1998年、コントグループ「ラーメンズ」としてデビュー。脚本家、演出家、パフォーマーとして、舞台作品や映像作品を多数発表。自ら制作した舞台美術の展覧会も開催する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
s-kozy
93
図書館で見かけて手に取る。「絵と文 小林賢太郎」、そう、あのラーメンズの小林賢太郎です。先生が「うるううるうと鳴いているおばけが出るからあの森に行ってはいけません」と言うあの森に行ってみた転校生で10歳の僕。そこで僕が経験する出会い、別れ。独特な雰囲気を持つファンタジー、内容と絵がとてもマッチしている良書。小林賢太郎さん、多才な人なんだなぁ、すごいね。2016/05/14
舟江
74
うるう年の、うるう日のように、「余りの1」が、世界のバランスを、とることがある。人間もそう。・・・(帯より)。 個人を突き詰めると、この様になるのであろうか。舞台の方が本より前だったとは、意外であった。また、うるうのように世の中のバランスを取って生きている人は、意外に多いのかもしれない。2016/04/28
Natsuki
72
表紙絵の不気味さからは想像もつかなかった、哀しくて優しい物語(*´ω`*)少年が「行ってはいけない森」で出会い、勝手に名付けた「うるう」。二人のやりとりが楽しければ楽しいほど増していく、うるうの哀しみに心が痛む。それでもひとときだけ重なった二人の時間がせめてもの救い。2017/06/19
パフちゃん@かのん変更
67
うるうは本当に4年に一度しか年を取らない。だから友達も愛した人も誰もかれもが先に死んでしまう。40歳のうるうと出会った10歳のぼく。でも本当はうるうは160年も生きてきて辛いこともたくさん見てきた。ひとりでひっそりと生きていきたいうるう。・・・40年後。50歳になった僕は同じ年になったはずのうるうにチェロを奏でる。うん、きっとチェロの音色はうるうに届くと思うよ。絵も独特で不思議な雰囲気の物語でした。2016/09/24
江藤 はるは
53
うるうるうるうる じんじん うるうる じんじんじん2020/02/16