陶炎―古萩 李勺光秘聞

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陶炎―古萩 李勺光秘聞

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  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062198394
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

萩焼の祖・李勺光は、秀吉から毛利家に預けられた陶工だった。その世話係となった武家の娘の運命とは──戦国の悲恋を描く長編小説!

豊臣秀吉が朝鮮を攻めた文禄の役。後に萩焼の祖となる李勺光は、そのとき朝鮮で捕まり日本に連れてこられた陶工だった。その際、秀吉の命で毛利家がその身を預かることになる。茶器が戦国武将たちに珍重されていた当時、毛利家では彼の造る焼き物を国の特産品とすべく、勺光を捕虜としては別格の待遇で迎えようとした。朝鮮での戦いで夫を亡くしたばかりの志絵を世話係に任命したのだ。志絵は毛利家・三美人の一人と言われ、夜伽も務めなければならないその任命に屈辱すら感じるが、武家の娘として従容と受け入れる。それから、志絵の煩悶がはじまる。毛利家中と勺光をつなぐ連絡係を務める青年武士・弘太郎に一目惚れしてしまったのだ。作品作りに打ち込む陶工と、若き家人との間で揺れ動く志絵の心。時代も大きく動き、関ヶ原の合戦で敗れた毛利家は、八ヵ国から二ヵ国に大幅減封され、勺光の窯場も萩の地へ移動を迫られるが……。

内容説明

阿修羅と化して「天を唸らす茶碗」に挑む陶工。凌辱された夜から恋に落ちた女。忘れえぬ初恋を再燃させる男。―三つ巴の、男女の絡み合う炎!捕虜の陶工に身を捧げた武家の女の運命―藩窯の秘史を繙く長編歴史小説。

著者等紹介

鳥越碧[トリゴエミドリ]
1944年、福岡県北九州市生まれ。同志社女子大学英文科卒業。商社勤務ののち、’90年、尾形光琳の生涯を描いた『雁金屋草紙』で第1回時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

18
夫を秀吉の朝鮮出兵で失い弟が逃亡したために実家に戻った志絵は三大美女として有名だったために朝鮮からやってきた勺光の世話係を命じられる。世話係といえば聞こえはいいが実際は夜伽も含めた妾奉公だった。相思相愛の武士・弘太郎と勺光双方から想いを寄せられるヒロイン。実在の萩化けの創始者を妻の側から描く。2015/12/06

ぽっぽママ

4
朝鮮から大勢陶工が連れてこられていたのは知っていたが萩焼がそうした陶工によって作られたものとは思っていなかった。徳川の世になって外様である毛利が大変な苦労をしたことも改めて感じた。 物語は三つ巴の男女の絡み合う炎という割に、三人ともいい人過ぎて物足りなかった気がします。2016/03/01

わたしは元気

3
萩焼きの歴史が、こんな風だったなんて。 日本の陶磁器が朝鮮から伝えらたのは、社会科で習った気がするけど。捕虜として連れて来られての事なのですね。なんだか、韓国の人に日本が恨まれるのは、仕方ないな、と思う。でも、その歴史に翻弄されながらも、懸命に生きる勺光と詩絵にうたれました。 2017/11/10

まりこ

3
帯にあった『凌辱された夜から恋に落ちた女』などというのは、話の本筋から離れ過ぎのような。自分が初恋相手で再燃させる男にひかれる気持ちも分かる。萩焼の祖、捕虜だった勺光の妻になった女の視線から、天を唸らす茶碗を作る人生を描く。女の愛が色々描かれていた。でも何か物足りない。2016/11/19

かめ

0
萩焼にこんな歴史があったとは! 史実としても小説としてもおもしろかった。2016/06/18

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