虚人の星

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062197434
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

七つの人格を持つ二重スパイと、三代目のお飾り首相。二人が交差する時、日本の命運が決まる。戦後70年に放つ傑作長編小説!

小学生のとき父に置き去りにされた星新一は、自分の中の七つの別人格に苦しめられてきた。一方、自由民主党の議員、松平は四十四歳の若さで首相に就任。血筋と顔立ちだけが取り柄の傀儡首相と思われていたが、ある日米大統領もうならせる名演説を披露して周囲の度肝を抜く――。
七つの人格をもつ二重スパイと、血筋だけが取り柄の三代目首相。交互に明かされる諜報と政権の秘密。二人が交差する時、日本の命運が決まる。国家の自殺を食いとめることはできるのか?

【著者紹介】
1961年、東京都生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。
1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞を受賞。著書は『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』『フランシスコ・X』『佳人の奇遇』『徒然王子』『悪貨』『往生際の悪い奴』など多数。

内容説明

総理とスパイの意識を丸裸にする驚異の一人称語り。戦後70年の分岐点、進むべき未来を照らす傑作長篇小説!

著者等紹介

島田雅彦[シマダマサヒコ]
1961年、東京都生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒。1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

80
島田雅彦は新作を楽しみにしている作家の一人です。本作はタイトルからスポ根パロディ小説かと思いきや、政治スパイ父息(おやこ)小説でした。レインボ-マン等、我々の年代では大変懐かしい(30代より若い方はピンとこない)キャラクターが続出して遊び心満載です。著者のお遊び的作品と思わせて、最期は大真面目?に〆るあたり見事です。途中ウヨク化が見えましたが、やっぱり島田雅彦はサヨクですネ!こちらも安倍総理に読ませたい1冊です。2015/10/17

それいゆ

78
総理とスパイのそれぞれの話が交互に登場する展開は、私のお気に入りの部類に入るのですが、二つが融合した後の話は私にはつまらなかったです。何故か?多分現実の政局を解説するかのような内容になってしまったからでしょう。作者の根本にあるのは戦争法案反対の考えです。「チャップリンの独裁者」を彷彿させるような総理の最後の演説で、憲法9条命の思想が明らかになっています。この時点で、この作品は小説ではなくなり、作者の意見表明の場になってしまいました。2015/10/19

オーウェン

60
7つの人格が存在する星新一と、総裁にのし上がった松平定男。2人はリンクしていくが、それが中国のスパイという形であり、明かされる意外な関係も。政治ドラマではあるけど、現実起こる可能性がある問題。中国との関係や米との関係。どちらを優先かによって、緊張状態が続いてしまうことの危惧。いかにして松平が自分を売っていくのか。また星のスパイ活動は常に7つの人格の話し合いによって混乱していく。ドラえもんだったりレインボーマンとする例え。一瞬夢オチかと思ったが、これぐらいのことをやらないと、混沌とした世の中には通じないかも2021/01/14

NAO

58
明らかに安倍政権のパロディである、血筋と顔立ちだけが取り柄の松平首相。父が中国側のスパイだったというだけで安易に自分もスパイになった7重人格の星新一。権力批判と主人公の数奇な人生設定は、いかにも島田雅彦ならでは。日本の政治、外交、防衛問題が詳細に描かれていて、エンタメとして楽しむというより、いろいろと考えさせられることの多い本だった。2016/03/01

Tui

43
今の与党のあり方、とくにアメリカやアジア諸国との関係性や歴史観には、かなり無理矢理な感じがある。それを整合性があるかの如く国民に納得させ遂行するのは、統一された精神のなし得る技では最早ないのでは。…という訳で、解離性同一性障害を呈した人物が国を動かすこの物語。軸となる二人いずれも複数の人格を持つという設定を除けば、今の日本の抱える痛いところを突きまくった物語だ。望ましい未来の姿は、穏やかではないかもしれない。でも、状況の悪化を緩やかにするくらいはできるかもしれない。痛快な読み味だが、現実の重さも心に残る。2017/02/06

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