出版社内容情報
宇宙飛行士の甘南備は低温睡眠状態から目覚め、60年ぶりに地球に帰還を果たす。彼を憶えているものは誰もいないはずだったが……。
宇宙飛行士の甘南備俊介は、五十八年九か月の眠りから目覚めた。木星衛星調査船で低温睡眠に入っているとき、太陽フレアの爆発で船が軌道を逸脱したのだ。地球の周回に入ってから回収され、たったひとり帰還した彼は、いちやく英雄となった。
甘南備を待ち受けていたのは、国際宇宙開発機構が精密に組み上げた回復訓練プログラムで、橘ムラサキという若い専任医務官が担当することになった。橘自身がかつて事故に遭い、このプログラムの経験者であった。
訓練が始まって、甘南備は不思議なことに気づく。橘のふとした仕草が、25年前に亡くなったはずの妻の葵のそれと重なるのだ。彼は次第に訓練の時間を心待ちにするようになるが……。
時空を超え、記憶という愛は甦るのか。大人の心を揺さぶる、ミステリロマン。
【著者紹介】
(かじむら・けいじ)
2011年、『野いばら』で第3回日経小説大賞受賞。他の著書に『「東京物語」と小津安二郎』、『使者と果実』がある。
内容説明
宇宙飛行士・甘南備俊介は、木星衛星探査船でのミッション中、太陽面爆発による事故に遭遇する。事故時に人工冬眠に入っていたため、58年9ヵ月後に奇跡的に救出され、地球に生還した。姿かたちは出発時の33歳のままだが、記憶は断片的にしかなく、愛する妻・葵はすでに他界していた。担当医務官、橘ムラサキが彼の復帰を助けるが、訓練が進むうち、甘南備は橘の不思議な挙動に気付く。彼女はいったい何者なのか―。
著者等紹介
梶村啓二[カジムラケイジ]
2011年、『野いばら』で第三回日経小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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