日本人のひたむきな生き方

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日本人のひたむきな生き方

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  • サイズ B6判/ページ数 242p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062196321
  • NDC分類 281
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「日本でいちばん大切にしたい会社」の個人版。逆境に屈せず、周囲に流されず、自分の務めを果たしてきた普通の日本人7人の物語。この本では、日本(およびアフリカ)のさまざまな地域に根を下ろし、長い時間をかけて、その人にしかできない仕事を成し遂げてきた7人の人生を訪ね歩いた。
北海道とジンバブエ、福島、千葉と静岡、東京、滋賀、兵庫、佐賀。いずれも私たちのすぐ隣にいてもおかしくない「ふつう」の人たちだが、平坦な人生など一つもない。無謀とも思える冒険や賭けに出た人もいれば、思わぬ災厄や裏切りで運命が変転した人もいる。食うや食わずで苦しんだ人。差別や偏見と闘ってきた人。それぞれが刻んできた人生の譜に、「日本人」で簡単にくくれる何かが存在するのかは、正直、今となってもわからない。
それでも、この7人に共通するものを敢えて挙げるならば、「自分にはこの道しかない」と信じた者の強さ、この本の題名に冠したひたむきさであろう。「信念」や「情熱」と呼べば美しいが、望んでそうなった人ばかりではない。偶然の出会いに導かれた、ほとんど思い込みに近いものだってある。けれども彼らはいつしか、こうとわが道を思い定め、黙々と歩み続けてきた。一途に、逆境に屈せず、周囲に流されることなく。そして、どの人も自分のしてきた仕事を声高に誇ったり、大袈裟に苦労を語ったりしない。淡々と振り返り、「たいしたことはしてませんよ」と笑っている。その姿をこそ私は「美しい」と思う。(本書 あとがき より)

第1部 人のために生きる
1 眠らない街の小さな灯火
片野清美(エイビイシイ保育園園長)
駆け落ちから始まった
子供たちとの別れ
歌舞伎町前の24時間保育園
「偏見・金策・認可」との闘い
新しい家族として
ぎゅっと抱きしめればいい
2 土の人が「まち」をつくる
吉井茂人(「長浜まちづくり株式会社」コーディネーター)
魯山人の館から
商店街イベントに知恵を絞る
歴史や文化を捨てずに活かす
「黒壁のまち」大成功の舞台裏
観光都市から家族で住む町へ
「土の人」の仕事哲学
第2部 好きな道を生きる
3 アフリカに渡った偉大な母 
高橋朋子(アフリカ音楽プロデューサー)
北の港のアフリカンダンス
ボブ・マーリーが教えてくれた
足元を照らす月のように
「石の家」ジンバブエという国
子供たちを導く「お母さん」
豊かさはお金で測れない
4 いつかイルカと話す日
村山司(東海大学海洋学部教授)
しゃべるシロイルカ
1本の映画から始まった夢
イルカは“嫌われ者”だった?
失業時代を支えた恩人たち
科学者にとって研究とは何か
第3部 あきらめずに生きる
5 原発に負けない「百姓」の米
秋元美誉(農家)
放射能に奪われた村
セシウムを寄せつけない「土の力」
「田んぼ、畑、虫、山」
アイガモ農法へのこだわり
自分でやらなきゃ再生しねえ
6 素人主婦、社長になる
藤波芳子(昭和精機株式会社会長)
就業経験ゼロで社長に
夫が家を出て行った
わが社の使命は「継続」
「女にできるはずがない」を跳ね返す
子供たちに伝える過去、託す未来
7 郷土を醸した復活の酒
飯盛直喜(富久千代酒造・蔵元杜氏)
天下を獲った佐賀の酒
望まなかった帰郷
父の執念に動かされ
「郷土を錦とする」ために
夢のために失ったもの
永遠に未完成の仕事


松本 創[マツモト ハジム]
著・文・その他

内容説明

24時間開園の保育園を歌舞伎町近辺に立ち上げた母親。イルカと話す努力を30年以上続ける学者。潰れかけた蔵元を奇跡の銘酒で甦らせた杜氏…逆境に屈せず自分の道を突き進む7人の物語。

目次

第1部 他人のために生きる(眠らない街の小さな灯火―片野清美(エイビイシイ保育園園長)東京都新宿区
土の人が「まち」をつくる―吉井茂人(「長浜まちづくり株式会社」コーディネーター)滋賀県長浜市)
第2部 好きな道を生きる(アフリカに渡った偉大な母―高橋朋子(アフリカ音楽プロデューサー)ジンバブエ、北海道小樽市
いつかイルカと話す日―村山司(東海大学海洋学部教授)千葉県鴨川市、静岡県静岡市)
第3部 あきらめずに生きる(原発に負けない「百姓」の米―秋元美誉(農家)福島県双葉郡川内村
素人主婦、社長になる―藤浪芳子(昭和精機株式会社会長)兵庫県神戸市
郷土を醸した復活の酒―飯盛直喜(富久千代酒造・蔵元杜氏)佐賀県鹿島市)

著者等紹介

松本創[マツモトハジム]
1970年、大阪府生まれ。神戸新聞記者を経て、現在はフリーランスのライター・編集者。関西を拠点に、政治・行政、都市や文化などをテーマに取材し、人物ルポやインタビュー、コラムなどを執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

34
地味でも 逆境に屈せず 黙々と自分の道を突き進む人に 私はなりたい(表紙見返し)。7人の人生に学ぶ。長浜市の吉井茂人氏は、街は一つの機能だけがあってもだめなんです。すぐだめになる。続いていかない(63頁)。常識はずれでも、はみ出し者でも、周囲をハラハラさせようとも、自然と尊敬を集め、目標とされ、この人に学びたいと思われる人はたくさんいる(229頁)。2016/03/19

ミニジロー

0
とんでもないような業績ではないが、苦労を重ねなつつ目の前のことを真正面からコツコツと積み重ねていく姿には敬意を感じる。そしてこういう人たちが日本を足元から支えているんだと改めて思う。それと同時に、ひたむきに生きながらも途中で挫折してしまった人がさらに多くいるんだということにも思いをはせる。2016/12/31

Humbaba

0
決まりを守ること。それ自体は必要なことではある。ただし、それも状況次第で納得出来ないこともある。ダメであれば、本来はそれなりの説明が必要であり、ただ上からやめろと命令するだけでは納得できない人もいる。例え周囲から止められたとしても、自分の道を信じて進めば新しい道が開ける事もある。2015/10/13

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