愛と人生

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062193351
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「男はつらいよ」シリーズの子役だった「私」は寅次郎と一緒に母を探す旅に……山田洋次監督も共感した独創的で斬新な”寅さん小説”「男はつらいよ」シリーズの子役、秀吉だった「私」は寅次郎と一緒に行方不明になった母を探す旅に出た……27年の歳月を経て、そんな昔話を伊豆の温泉宿で「美保純」と懐かしくする「私」。
映画の登場人物とそれを演じる俳優の人生が渾然一体となって語られ、それぞれの時間が複雑に流れては戻る。
「文章の緩急を使い分ける力量」と「非常に面白い戦略」─中条省平氏、「ご褒美のような幸福感のラスト」─長野まゆみ氏
「大衆的な紋切り型を文学的技法として使った懐かしい雰囲気」─沼野光義氏、など絶賛され山田洋次監督も共感した、斬新で独創的な"寅さん小説"、表題作の「愛と人生」の他、大澤信亮氏に「あまりにも素晴らしい小説」と評された短編「かまち」とその続編「泥棒」の3作を収録。

愛と人生
かまち
泥棒


滝口 悠生[タキグチ ユウショウ]
著・文・その他

内容説明

「男はつらいよ」シリーズの子役、秀吉だった「私」は寅次郎と一緒に行方不明になった母を探す旅に出た…27年の歳月を経て、そんな昔話を伊豆の温泉宿で「美保純」とともに懐かしむ「私」。「男はつらいよ」の世界に迷い込める、味わいたっぷりな“寅さん小説”、表題作の「愛と人生」の他、短編「かまち」とその続編「泥棒」の3作を収録。

著者等紹介

滝口悠生[タキグチユウショウ]
1982年10月18日東京生まれ。2005年、早稲田大学第二文学部入学(その後3年ほどで中退)。2011年、「楽器」で第43回新潮新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

J D

68
 表紙を見て、おっ!「寅さんだ。」心臓がドクンと波打った。これは、読まねばと思い手に取ると作家は、滝口悠生さん。「なに−!!滝口さん、寅さん好きなんだ。」と驚くと同時に「へぇ~」と思った。作品は、滝口さん独特の浮遊感を抱かせられながら進む。滝口感は満載。寅さん映画の知識があれば理解はしやすいかも知れないけど、なくても十分楽しめる。寅さん好きは読む価値あると思う。美保純のお尻が頭から離れない。全く関係ないが「お尻もきれい」というセリフのCMは、戸川純だったかなぁ?2024/09/25

おさむ

44
NHKの番組でこの本を紹介していた。男はつらいよシリーズを毎晩観るという滝口さんの、果てしない妄想と寅さん愛に満ち溢れた一風変わった表題作。これは果たして小説なのかという問題はさておき。「毎日生きてるとさ、時々、ああ、生まれてきてよかったなあ、って思うことがあるじゃねえか。その為に生きてるんじゃねぇかな」。この名セリフや印象深い場面が随所に盛り込まれているほか、キャストに関する分析も。全48作品の順位づけをすることの無意味さの指摘はその通りと思う。滝口さんは、あの名越さんに並ぶ寅さんマニアかもしれません。2017/05/27

かんらんしゃ🎡

41
寅次郎と渥美清あるいは子役秀吉と著者本人がシームレスに行き来し、浮遊感のある不思議な話の中に迷い込んだ。書いてあるのは現実か(もちろんフィクションの中で)、映画の話なのかそれとも幻想か、いやもうノンフィクションなのかそれすら分からない。奮闘努力の甲斐もなく、一体オレは何を読んでいるんだろうって、今日も涙の日が落ちた。 ただ一つ、美保純と秋吉久美子はキャラかぶりしてるなって思う。おめぇーもそう思うだろ、サクラ。2022/01/09

八百

24
雰囲気の良い装丁とパラ見の出だしにガッチリと心を掴まれ読みはじめてみるもののページを捲る毎になんだこりゃ感が増していく。寅さんの話?渥美清の話?えっ、この私ってどの私??と難解なメタにより穏やかな話の流れとは裏腹にあちらこちらとかなり振り回される。ラスト近くの健さんと見せかけたマニアックなギミックを年の功でクリアしても結局頭に残るのはあの美保純の尻のみ。それですら誰もが拝むことのできる尻を持ってくる確信犯的な計算高さなどとにかく作者の技巧満載の意欲作…何の話なのかさっぱりわからんかったのだが 2017/08/17

抹茶モナカ

16
この著者は、やはり、偏愛の人なんだと思う。寅さんシリーズへのオマージュをメタ・フィクションで描いた標題作は、好き加減がにじみ出ていて、美保純の書きぶりは妄想の凄さに男を感じる。外2編の連作短編小説は語りの練習というか、保坂和志の語りを思い出させる具合。落語の元ネタは『夢金』だろうか。読みやすいのか、読みづらいのか、不思議な本で、ボイスは感じるけれど、冗漫にも感じた。2019/11/13

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