出版社内容情報
石崎洋司版「ドン・キホーテ」のものがたり。読者のみなさんをきらびやかなバレエシアターに誘います。平澤朋子氏のイラストも美麗!ラ・マンチャの郷士ケハーナは騎士道物語を読みふけった末に、自分が遍歴の騎士ドン・キホーテだと思い込むようになった。そしてドゥルシネア姫という空想上の姫の面影を胸にいだき、サンチョ・パンサという農民を従士として、悪を懲らしめ困っている者を助ける旅に出た。
バルセロナの町に着いたドン・キホーテたちは、宿屋の美しい娘キトリに出会った。そのキトリにはバジルという貧しい床屋の恋人がいたが、父親のロレンツォはキトリを金持ちの貴族ガマーシュと結婚させようとしていた。キトリはバジルとの結婚を許してくれるようにと何度も父親に頼んだが、ロレンツォはけっして許そうとしない。こうなったらもう駆け落ちしかないと思い、キトリとバジルは手に手をとって逃げ出した。
ロレンツォとガマーシュはすぐに二人の後を追いかけた。キトリをドゥルシネア姫だと思いこんだドン・キホーテもサンチョとともに二人の後を追って行った。
ドン・キホーテはロマ族の野営地でキトリとバジルに追いついたが、そこにあった風車を悪しき巨人だと思い込み、風車に向かって突進した挙句にはねとばされてしまった。そして気絶したドン・キホーテは、愛しのドゥルシネア姫と森の妖精たちが舞い踊る、美しい夢を見た。
一方、追手の気配を察したキトリとバジルは馴染みの居酒屋に逃げ込んだが、ついにロレンツォとガマーシュに見つかってしまった。そこでバジルは一芝居打つ事にした。キトリとの結婚を許してもらえない事に絶望して自殺するふりをしたのだ。そこまでして結婚したいという二人の気持ちを知ったロレンツォはとうとう結婚を認めた。
キトリとバジルの結婚式がにぎやかに行われた。それを見届けたドン・キホーテは、ドゥルシネア姫の幻影に導かれ、サンチョとともに新たな冒険へと旅立って行くのだった。
もくじより――
プロローグ
第1幕 バルセロナの広場
第2幕第1場 ロマの森で
第2場 居酒屋
第3幕 結婚式
石崎 洋司[イシザキ ヒロシ]
著・文・その他
平澤 朋子[ヒラサワ トモコ]
著・文・その他
セルバンテス[セルバンテス]
原著
著者等紹介
石崎洋司[イシザキヒロシ]
1958年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、出版社勤務を経て、1992年に『ハデル聖戦記』でデビュー。児童書のジャンルで、小説、昔話絵本、翻訳書など幅広く活躍している。『世界の果ての魔女学校』(平澤朋子絵)で第50回野間児童文芸賞、第37回日本児童文芸家協会賞を受賞
平澤朋子[ヒラサワトモコ]
1982年、東京都生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。児童書、絵本などのジャンルを中心に活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。