朗らかに笑え―ユーモア小説のパイオニア佐々木邦とその時代

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朗らかに笑え―ユーモア小説のパイオニア佐々木邦とその時代

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062190497
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

夏目漱石と並び賞されたユーモア小説の第一人者・佐々木邦。『小さいおうち』の時代に一世を風靡した作家の没後50年。孫が追憶する中島京子『小さいおうち』は、直木賞を受賞し、映画化されればベルリン映画祭で主演女優賞をとった快作である。そこに描かれる昭和初期、家庭では雑誌が娯楽の中心だった頃、若きも老いも連載を心まちにしていた作家が、佐々木邦。
夏目漱石とまた違った意味での、日本におけるユーモア作家のパイオニアだった。
本年は『少年倶楽部』が創刊されてから百年にあたる。同誌の看板作家として、そして講談社の全雑誌に連載をもち、かつ講談社がはじめて出した個人全集も彼だった。
人気を博した邦を回顧する作家は多い。丸谷才一は、亡くなる直前に連載をはじめたエッセイ「男の小説」(『オール読物』)の第1回 で、邦を取り上げ、「ユーモア小説の第一人者。探偵小説における江戸川乱歩のやうな存在」と書いたし、池波正太郎は、「佐々木邦の小説によって、子供の私たちは第一級のユーモア感覚を養われた」と評した。哲学者の鶴見俊輔も、「長谷川町子の作品は、昭和前期の佐々木邦のユーモア小説の作品をつぐもの」とサザエさんを分析している。
その佐々木邦が没して、今年で50年。戦前のベストセラー作家は、英語に通じ、大学で教壇に立ち、マーク・トゥエインを愛した。創作の基本は秀でた英語力と欧米からの知識。それには父親の影響が大きかった。父・林蔵は、沼津の大工。ひょんなことから明治憲法発布前に建てられた、初代の国会議事堂建設の職工養成員に選ばれ、明治の半ばドイツへ三年間の修行の旅に出る。森鴎外が滞在していたときに重なる。そんなことから佐々木家には洋風の血が流れはじめたのか。
邦の孫、林蔵の曾孫の著者が、秘蔵の資料から忘れられた流行作家の足跡をたどる。

第1章 明治19年の壮大なプロジェクト
第2章 負けない男・林蔵
第3章 伯林の3年間
第4章  帝国議会議事堂
第5章  青天の霹靂
第6章  胎動
第7章  邦の青春
第8章  作家の支度
第9章  ユーモア作家の誕生
第10章 家族
第11章 邦と戦争
第12章 老いらくの恋


松井 和男[マツイ カズオ]
著・文・その他

内容説明

マーク・トウェインをこよなく愛し、夏目漱石と同じく旧制高校、大学で英語の教鞭をとった作家と、国会議事堂建設のため、森鴎外と重なる時期に研修生としてドイツへ渡った大工であるその父―。明治、大正、昭和を生きた「父と子」の肖像。

目次

明治十九年の壮大なプロジェクト
負けない男・林蔵
伯林の三年間
帝国議会議事堂
青天の霹靂
胎動
邦の青春
作家の支度
ユーモア作家の誕生
家族の絆
邦と戦争
老いらくの恋

著者等紹介

松井和男[マツイカズオ]
テレビ・ディレクター。1947年東京生まれ。立教大学経済学部卒業。主な仕事に、『人類よ宇宙人になれ~立花隆vs.小学生』(高柳記念企画賞、以上NHK)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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