出版社内容情報
ガマから掘り出された「すずり」「目覚まし時計」「アルバム」が現在に伝えるもの。それは最期の一瞬まで生きようとす人々の鼓動。NHKラジオ深夜便で取り上げられた感動の書! 読売新聞(8/16夕刊)、沖縄タイムス(8/16)、中国新聞(8/15夕刊)、長崎新聞(8/17)、愛媛新聞(8/13)、静岡新聞(8/10)、西日本新聞(7/2)、神戸新聞(7/1)と各紙が続々紹介。
沖縄本島に無数あるガマ(壕)。戦後、何十年もの間、その洞窟に入って遺骨を掘り続ける人たちがいます。「沖縄の戦争は、まだ終わってはいない」と、戦禍を風化させない一心で、彼らはスタッフや費用の困難に向き合いながら、その作業を続けています。
そこから出土するものは、遺骨や銃器といった戦争に直接関係するものばかりではありません。学用品や日用品が、たくさん掘り出されています。それは、ガマのなかでアメリカ兵から身を隠して暮らし、ガマに爆弾や毒ガスを投げ込まれて息絶えた人々の存在を、生々しくいまに伝える痕跡なのです。
そのなかから、「すずり」「目覚まし時計」「アルバム」をめぐる現在と過去の物語を描きます。モノたちから浮かび上がってくるのは、運命的に助けられた命や最期の瞬間まで人間であろうとした命、そして、戦後何十年経ったあとで大切な家族の死に方に対面する人々の思いです。
ノンフィクションの手法で徹底取材したリアリティを、物語=フィクションのかたちで描きあげます。
地図 1945(昭和20)年 沖縄戦の戦闘の経緯
はじめに
第一章 哲也の硯
第二章 新太の目覚まし時計
第三章 夏子のアルバム
おわりに
沖縄戦関連史年表
豊田 正義[トヨダ マサヨシ]
著・文・その他
内容説明
長期間にわたるガマでの避難生活、最期まで人間らしくあろうとした少年兵、六十年前に民家から略奪したアルバムを返したいと沖縄を訪れた元米兵。あの戦争から70年―。沖縄の記憶を呼び覚ます、硯、目覚まし時計、アルバムの声が聞こえる。
目次
第1章 哲也の硯
第2章 新太の目覚まし時計
第3章 夏子のアルバム
著者等紹介
豊田正義[トヨダマサヨシ]
1966(昭和41)年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨークの日系誌記者を経て、ノンフィクション作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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