ガマ―遺品たちが物語る沖縄戦

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ガマ―遺品たちが物語る沖縄戦

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  • サイズ B6判/ページ数 194p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062189620
  • NDC分類 K916
  • Cコード C8021

出版社内容情報

ガマから掘り出された「すずり」「目覚まし時計」「アルバム」が現在に伝えるもの。それは最期の一瞬まで生きようとす人々の鼓動。NHKラジオ深夜便で取り上げられた感動の書! 読売新聞(8/16夕刊)、沖縄タイムス(8/16)、中国新聞(8/15夕刊)、長崎新聞(8/17)、愛媛新聞(8/13)、静岡新聞(8/10)、西日本新聞(7/2)、神戸新聞(7/1)と各紙が続々紹介。

沖縄本島に無数あるガマ(壕)。戦後、何十年もの間、その洞窟に入って遺骨を掘り続ける人たちがいます。「沖縄の戦争は、まだ終わってはいない」と、戦禍を風化させない一心で、彼らはスタッフや費用の困難に向き合いながら、その作業を続けています。

そこから出土するものは、遺骨や銃器といった戦争に直接関係するものばかりではありません。学用品や日用品が、たくさん掘り出されています。それは、ガマのなかでアメリカ兵から身を隠して暮らし、ガマに爆弾や毒ガスを投げ込まれて息絶えた人々の存在を、生々しくいまに伝える痕跡なのです。

そのなかから、「すずり」「目覚まし時計」「アルバム」をめぐる現在と過去の物語を描きます。モノたちから浮かび上がってくるのは、運命的に助けられた命や最期の瞬間まで人間であろうとした命、そして、戦後何十年経ったあとで大切な家族の死に方に対面する人々の思いです。

ノンフィクションの手法で徹底取材したリアリティを、物語=フィクションのかたちで描きあげます。

地図 1945(昭和20)年 沖縄戦の戦闘の経緯
はじめに
第一章 哲也の硯
第二章 新太の目覚まし時計
第三章 夏子のアルバム
おわりに
沖縄戦関連史年表


豊田 正義[トヨダ マサヨシ]
著・文・その他

内容説明

長期間にわたるガマでの避難生活、最期まで人間らしくあろうとした少年兵、六十年前に民家から略奪したアルバムを返したいと沖縄を訪れた元米兵。あの戦争から70年―。沖縄の記憶を呼び覚ます、硯、目覚まし時計、アルバムの声が聞こえる。

目次

第1章 哲也の硯
第2章 新太の目覚まし時計
第3章 夏子のアルバム

著者等紹介

豊田正義[トヨダマサヨシ]
1966(昭和41)年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨークの日系誌記者を経て、ノンフィクション作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

澤水月

40
実在人物モデルに集団自決に追い込まれ/生き残った人々のドラマ描く児童書。島民だけでなく牛島中将ら自決直前やりとりも含み様々な人の立場と境遇を考えさせる。豊田氏自らガマで遺骨発掘、多くの資料読み込みが参考文献からも窺える。北九州連続監禁殺害ルポ後、ダメージ受けたように見受けられたが14年にこのお仕事と知り感銘。総ルビ注釈もしっかり。義務教育生徒「高橋お伝」伝わるのか?!と思いつつも現代っ子達がガマの祟りを恐れる描写から一気に戦時の暮らしに引き込み興味持てるだろう書き方に好感。現地少年ガマ荒らし報道の月に読了2017/09/22

かおりんご

27
児童書。実話をフィクション化したもの。ガマの遺骨収集で見つかった遺留品をモチーフに、話が進みます。母親が子を思って、ガマから脱出させる場面に思わずホロリ。大戦での唯一の地上戦が行われた沖縄。原爆のことも後世に伝えて行かなければならないけれど、沖縄の歴史もしっかりと学ばなければいけないと思います。対象は高学年ぐらいから。2018/01/13

羽衣 空

26
沖縄戦、ガマという洞窟で息を潜めた生活を強いられた住民。最後には火炎放射器で焼かれ、あるいは自決し亡くなる。本書には三編の話が語られているが、軍人を含めた全ての人それぞれの数だけのエピソードがあるのだろう。とても悲しい気持ちになるが、目を背ける訳にはいかない。2017/10/03

みー

12
日本で唯一、本土決戦が行われた沖縄・・・そこでは老若男女、多くの一般市民が犠牲となった。多くの市民が避難していたガマと呼ばれる洞窟・・戦後、何十年もたち、そこの捜索が行われ、沢山の遺骨と遺品が見つかることとなる。そこで見つかった遺品・・人骨・・それぞれの生きた証がそこにはあった。(図)2017/04/02

ケニオミ

10
原爆投下で主のいないまま残った品々を紹介したアーサー・ビナードの「さがしています」を思い出す内容でした。戦禍を避け逃げ込んだガマ(洞穴)に残された硯と目覚まし時計。成績一位のご褒美で母からもらった硯。死にゆく少年兵を最後まで見届けた目覚まし時計。その品々には人々の想いが乗り移り、見つけられるのを待っていたのだと思います。また、戦利品として米国に渡ったアルバム。家族が死に絶え、自分の記憶でしか家族の像が存在しない辛さ。アルバムを返しに来日した元米兵がその辛さを理解できて良かったです。やはり、戦争はいやだな。2014/07/16

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