日本インターネット書紀―この国のインターネットは、解体寸前のビルに間借りした小さな会社からはじまった

電子版価格
¥2,585
  • 電子版あり

日本インターネット書紀―この国のインターネットは、解体寸前のビルに間借りした小さな会社からはじまった

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 451p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062189446
  • NDC分類 007.3
  • Cコード C0030

出版社内容情報

「日本にIT産業はない」。この国にはじめてインターネットをつくった経営者の壮大な夢と危機感。 日本発の技術で世界を変えるにはインターネットは21世紀の産業のエンジンである。だが、日本に「IT産業」はない。「IT利用産業」があるだけだ――この国の壁、そして通信の巨人に挑んだ経営者の壮大な夢と危機感。インテル、グーグル、Amazon……インターネットには、これからどのような可能性が秘められているのか? 日本発の技術で、世界を変えるために必要なこととは?

第1章 黎明期――ロング・アンド・ワインディング・ロード
◎沈鬱の船出◎ふたりの訪問客◎10億円の皮算用◎徒手空拳で、通信の巨人に挑む◎戦争が産んだコンピュータ、インターネット◎1969年の衝撃◎立ちはだかる制度と役人の高い壁◎貧乏企業には事業をさせない◎「水と油」の電話とインターネット◎縦割り行政の弊害◎夜逃げ前と見紛う珍妙なオフィス◎金策に明け暮れる日々◎ようやく下りた事業認可◎思い込みが、世界を変えた
第2章 日本から世界へ
◎ファーストユーザー、怒り心頭◎打倒NTTへの布石◎ネット証券の夜明け◎災害に強いインターネット◎ネットの可能性を阻むもの◎地下鉄サリン事件の裏側で◎競争相手を育て、ガリバーに塩を送る◎アジアを経巡る「法螺吹き珍道中」◎スーパーの2階で生まれた新技術◎日本初、インターネットのライブ中継◎日本を飛び越え、ナスダック上場◎9・11に見たアメリカの底力◎技術に宿る身体感覚◎グーグルの強み、日本の懸念
第3章 壮大な夢の光芒――通信の巨人に挑む
◎夢が潰えた日◎消えかけた個人資産◎ネット専用インフラをつくる夢◎ネットワークは愚かでいい◎カネの切れ目が事業の切れ目◎革新的なアイディアの代償◎幻の映像配信サービス◎「ラストワンマイル」を巡って◎もうひとつの「巨人」との提携◎提携破談までの道のり◎買収工作への守りが裏目に◎経済情勢の悪化で資金繰り苦しく◎紛糾した債権者集会◎宿敵の支援を仰ぐ◎忘れられない夏
第4章 反転――日本のインターネットはどこへ向かうか
◎債務超過100億円からの再スタート◎競争激化、価格破壊のその先に◎隠れたばらまき行政◎技術革新を阻むもの◎インターネットが壊れる日◎ITを理解しない経営者たち◎日本に「IT産業」はない◎「日本発」の技術へのこだわり◎新体制の船出
第5章 インターネットの半世紀
◎実現しつつある「愚連隊エンジニア」たちの夢◎ウィキリークスがつきつけた課題◎ネットを監視下に置く国家権力◎ネットはテロ組織にも開かれている◎止められないサイバーテロ◎何を守る「セキュリティ」なのか◎個人情報は誰のものか◎インターネット時代の新聞の価値◎変わりゆくテレビを巡る風景◎ネットは経済を活性化させるのか◎ネットの未来


鈴木 幸一[スズキ コウイチ]
著・文・その他

内容説明

インターネットは21世紀の産業のエンジンである。だが、日本に「IT産業」はない。「IT利用産業」があるだけだ―この国の壁、そして通信の巨人に挑んだ経営者の壮大な夢と危機感。

目次

第1章 黎明期―ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード(沈鬱な船出;無邪気なエンジニアたち ほか)
第2章 日本から世界へ―インターネットの本場で勝負に挑む(ファーストユーザー、怒り心頭;ようやく手にしたリスクマネー ほか)
第3章 壮大な夢の光芒―通信の巨人に挑む(夢が潰えた日;いきなり個人口座が凍結される ほか)
第4章 反転―日本のインターネットはどこへ向かうか(債務超過100億円からの再スタート;社員たちに届けた思い ほか)
第5章 インターネットの世紀―インターネットが変えたこと、変えること(実現しつつある「愚連隊エンジニア」たちの夢;ウィキリークスがつきつけた課題 ほか)

著者等紹介

鈴木幸一[スズキコウイチ]
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)代表取締役会長兼CEO。1946年神奈川県生まれ。早稲田大学文学部卒。72年(社)日本能率協会入社。インダストリアル・エンジニアリング(IE)、新規事業開発などを担当。82年退社。83年(株)日本アプライドリサーチ研究所代表取締役就任。ベンチャー企業の育成指導、産業・経済の調査・研究、地域開発のコンサルテーション等を行う。92年12月(株)インターネットイニシアティブ企画を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

21
卒業直前の94年、教授が「論文をPCルームで打って来てくれたらそれだけで点数をあげたい」といった。初期のマッキントッシュでカタカタうちこんで、プリントして。そして日本で96年に就職し、ウィンドウズ95を使った。黎明期の混乱はいつも甘酸っぱく、すこしかっこわるくて、驚きに満ちている。読みながら胸がわくわくした。最後の年表を見て、戦争が日本から奪ったものは大きいんだなあ…と胸がちくり。2017/08/19

Porco

21
日本におけるインターネットの商用化が、これほど大変な苦労のもとに成し遂げられたものだったとは! 大きな挫折をしながら、多少の恨み言を言う程度で、気力もビジョンも失わない著者はすごい。2017/04/11

koji

7
ベンチャーの起業家には何人も会ってきましたが、成否の分かれ目は、①成長性のある事業をターゲットとすること、②経営者はロマンと算盤を両立させ、困難にめげない知力・体力を有すること、③時の勢いを味方につけることと思っています。本書は、抜群に面白いIIJ鈴木会長のベンチャー一代記ですが、私のベンチャー企業観を裏付けてくれました。私が深く共感したのは、米国に比べ日本にIT産業はない(根なし草)と言いきっている所。利用業ではあっても、卓越したアイデアを形にし革命を起こす事業者は少ないのです。深い読書ができる1冊です2015/09/17

takizawa

5
日本におけるインターネットの歴史を辿るにはIIJの社史を紐解くのが最も近道で、その語り部としてふさわしいのはIIJ創業者の鈴木幸一氏だろう。インフラ構築サイドのIT企業というあまり表舞台には出てこない会社ではあるが、発想やスケールの大きさに驚かされる。IT系ベンチャー企業のスピード感を追体験できてとても面白かった。自治体のICT政策についてはpp.337-341あたりを参照。2015/08/16

Kentaro

4
ダイジェスト版からの要約 ネット事業を法制度的にみると、グレーな領域だらけであり、これまでの著作権法を厳密に考えると、成り立たないはずの事業である。実際、グーグルもあちこちで訴訟を起こされ、裁判を繰り返しながら成長してきた。「日本の起業家にとって重要なのはIT分野の技術革新そのものではなくて、その技術革新を利用するイノベーションである」。この業界の私の知人ですら、そんな言葉を口にする。日本に「IT産業」と呼べるほどのものはなく、「IT利用産業」のみが存在する。ハードウェアには強かった日本の今を表している。2018/04/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9317667
  • ご注意事項

最近チェックした商品