我れ、美に殉ず

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我れ、美に殉ず

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  • サイズ A5判/ページ数 420p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062189309
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

歴史に名を留める江戸時代の巨匠たち。久隅守景、英一蝶、伊藤若冲、浦上玉堂ら美に命を賭けた絵師たちの生涯を描く、傑作時代小説。

「第一章 これ、この一作に悶え、死す──久隅守景」……狩野探幽の門下となり、若くして「四天王」ともてはやされた久隅守景。だが、悪所通いがもとで息子が狩野派を破門され、後に島流しに。さらに娘は、同門の男と駆け落ちする。相次ぐ不始末に、守景自身も師匠から破門され金沢の地へ。狩野派で御用絵師として生きる道とは一線を画して、守景は独特の質朴なる農夫の絵を晩年まで描き続けるのだった。「第二章 外面は百態、魂は不撓──英一蝶」……狩野派に入門しながら吉原通いを好み、あげくに生類憐みの令で三宅島に島流しになった不遇の絵師。「第三章 生きとし生ける物へすべて命を──伊藤若冲」……青物問屋の長男に生まれ若くして店を継ぐも、早々に隠居して生き物を描き続けるた博愛の画家。「第四章 失いしものを深追いして──浦上玉堂」……備前池田藩・支藩の大目付の役にありながら、風流の道に傾いて脱藩し、七弦琴と絵筆を手に諸国を放浪した文人画家。

内容説明

あるいは地位を捨て、あるいは暮らしを捨て、あるいは家業を捨て、あるいは役職を捨てて。躓いても、失っても、一本の筆に魂を込めた。江戸の時代に瞬いた負を持つ絵師たちの凄絶な生涯!著者渾身の歴史小説。

著者等紹介

小嵐九八郎[コアラシクハチロウ]
1944年秋田県生まれ。早稲田大学卒業。『鉄塔の泣く街』『清十郎』『おらホの選挙』「風が呼んでる」がそれぞれ直木賞候補に。’95年には『刑務所ものがたり』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラスカル

16
狩野派隆盛の画界から逸れた4人の絵師(久隅守景、英一蝶、伊藤若冲、浦上玉堂)の物語。英一蝶目当てで読んだが久隅守景がおもしろかった。葉室麟の『乾山晩秋』の雪信のお父さん側からのお話。文体は読みにくかった。2022/04/10

Suu.

13
表紙の若沖に惹かれて手に取った、初めての小嵐作品。題名も良いなぁと期待を大にして読み進めたのだが、どうにも読みにくい。独特に過ぎる文章構成、突飛過ぎる台詞や句読点、泥臭く波瀾万丈に生きた絵師達の人物描写、どれも印象が薄かった。他の作品を読んだ事が無いため何とも言えないが、本書に関しては残念と言わざるを得ない。著名な絵師四名の一生に触れる機会を齎して頂いた事に深く感謝し、また御縁がある時まで静かに待ちたいと思う。2014/07/10

マカロニ マカロン

8
個人の感想です:B+。江戸時代中頃、狩野派が画界を席巻している時代に独自の画風を極めた久隅守景、英一蝶、伊藤若冲、浦上玉堂の四人の画家の生涯を描いた短編小説集。若冲以外はよく知らない人物だったが、それぞれの人物が主に京言葉で独り言つような形式で書かれた独特の文章が味わいがあり、同時に読みにくくもあった。この四人、いずれも男根と女陰の対比が絵に潜むテーマになっているようで、関西弁の「お○こ」が多用されていた。若冲がゲイだったり、流罪の一蝶が三宅島で女体を小出しに餌として撒かれ絵心を盛り立てたり興味深かった。2016/08/12

もこもこ

3
江戸絵画が好きな人にはお勧めです。久隅守景の絵を見にトーハクに行ってきます!2014/07/05

ninoko

1
絵に対する情熱はそれぞれでも、命を賭けられる物悲しさあるのは幸せだ。だが一人称口語体はつくづく読みにくいし、感情移入しにくい。2014/07/22

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