なかったことにしたくない―実父から性虐待を受けた私の告白

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なかったことにしたくない―実父から性虐待を受けた私の告白

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  • サイズ B6判/ページ数 226p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062188326
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

元タカラジェンヌ、TDLで初の同性挙式を実現した著者が、実父から受けた性虐待を告白。衝撃の半生と生きる希望を描くエッセイ。2010年、芸名と自身がレズビアンであることをカミングアウトし、2013年には東京ディズニーリゾートで、初の同性カップルによる結婚式を挙げ話題になった、元タカラジェンヌの著者による渾身の書き下ろし作品。本書を書いた動機を知っていただくために、まずは「まえがき」をお読みください。

――私は実の父から性虐待を受けて育った。
そのことをこうして告白するには、長い時間が必要だった。
記憶が意識から切り離され、自分の被害を思い出せなかった時間……。つらすぎる記憶に、恐れ、とまどい、逃げ回り、葛藤した時間……。
それでも私は、私が受けたすさまじい暴力を「なかったこと」にはできなかった。
自分の被害体験を思い出し、性虐待について学んでいくにつれ、近親者による性虐待は、私が想像するよりもずっと多いということを知った。けれど世間は、それを「なかったこと」にしたいのか、その実態にふたをしたままにしている。そんな現状を知ればしるほど、「暴力」と「否認」はとても密接な関係にあると実感するようになった。
私は、今の日本に生きる、レズビアンの女性だ。
そして、実父による性虐待から生きのび、立ち上がろうとするサバイバーだ。
どちらも、今の社会では生きづらい存在なのだろう。だけど私は、私でいることをやめられない。私は、私自身を「なかったこと」にはできない。
LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランズジェンダー)の人や、性虐待の被害を受けている人が、何に苦しんでいるのか、何が不安なのか、書くべきことはたくさんあるような気がする。でも私は、レズビアンの代表でも、サバイバーの代表でもない。私にできることは、私の体験を私の言葉で伝えることだけだ。
この本には、幼い日にお風呂場で奪われた「私の生きる力」を取り戻すために書いたものという側面があるだろう。本を書くことが、私の回復のプロセスのたいせつな一部になるのかもしれない。けれども、それだけでなく、もし私のこの告白が、生きづらさを抱えるだれかの胸に届いたとしたら、それは著者としてとてもうれしいことだ。そんな祈りを込めて、私が生きてきたこれまでのことを書いてみたい。――

この世の中がだれにとっても生きやすいものになるための一助に、本書がなればと願っています。

まえがき
第一章 タカラジェンヌに憧れて
 東さんのお嬢さん
 同性愛
 憧れの宝塚音楽学校
第二章 タカラヅカの「暴力」
 被害者の私
 すみれ寮からの脱走
 加害者の私
 初舞台、そして退団
第三章 薬物依存の混沌のなかで
 オーバードーズ
 自殺未遂と閉鎖病棟
 父の死
第四章 父から受けた性虐待
 出会い
 忌まわしい記憶
 なかったことにする
 カウンセリング
 「さもありなん」
 父への手紙
第五章 私はいま、生きている
 ディズニーシー・ウェディング
 春一番の祝福
 ひろこさんと私の新婚ラ


東 小雪[ヒガシ コユキ]
著・文・その他

内容説明

実の父から性虐待を受けて育った。そのことを告白するには、長い時間が必要だった。記憶が意識から切り離され、自分の被害を思い出せなかった時間…。つらすぎる記憶に、恐れ、とまどい、逃げ回り、葛藤した時間…。それでも、そのすさまじい暴力を「なかったこと」にはできなかった。同性カップルの結婚式で話題の著者による衝撃の書。

目次

第1章 タカラジェンヌに憧れて(東さんのお嬢さん;同性愛;憧れの宝塚音楽学校)
第2章 タカラヅカの「暴力」(被害者の私;すみれ寮からの脱走;加害者の私;初舞台、そして退団)
第3章 薬物依存の混沌のなかで(オーバードーズ;自殺未遂と閉鎖病棟;父の死)
第4章 父から受けた性虐待(出会い;忌まわしい記憶;なかったことにする;カウンセリング;「さもありなん」;父への手紙)
第5章 私はいま、生きている(ディズニーシー・ウェディング;春一番の祝福;ひろこさんと私の新婚ライフ;LGBTってなんだろう?;台北にて)

著者等紹介

東小雪[ヒガシコユキ]
1985年、石川県金沢市生まれ。2005年、宝塚音楽学校を卒業、第91期生として宝塚歌劇団に入団。「あうら真輝」の芸名で男役として花組に配属される。2010年9月、セクシュアリティとともに芸名をカミングアウトし、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)支援のための活動を始める。2013年3月には、東京ディズニーリゾートで初の、同性カップルによる結婚式を挙げ、話題になった。また、同年12月に株式会社トロワ・クルールを設立し、さまざまなメディアでの活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らむり

45
自分らしく生きればいい、というのはその通りだと思いますが、生まれてくる子供の幸せがないがしろにされている気がして残念でした。2014/07/30

そばかす♪

27
いやー私的にはちょっとキツかったです。性虐待については多く割かれていませんが、生い立ちや宝塚時代のことについても書かれています。それでも立ち直って前向きに生きているのですから、相当頑張ったのだろうと思います。2015/03/31

山口透析鉄

26
ヅカに関する幻想、打ち砕く部分もありましたし、やはり実父からの性虐待(近親強姦でしょう……)を吐露する部分に胸が苦しくなりました。体育会系馬鹿は本当に嫌いなので、そういうのにも重なります。日本の宿痾のひとつでしょうし。 読むのに覚悟が必要な一冊ですが、読んで欲しいです。後年の伊藤詩織さんなども連想します。2014/12/20

daiyuuki

22
実の父から性虐待を受けて育った。そのことを告白するには、長い時間が必要だった。記憶が意識から切り離され、自分の被害を思い出せなかった時間…。つらすぎる記憶に、恐れ、とまどい、逃げ回り、葛藤した時間…。それでも、そのすさまじい暴力を「なかったこと」にはできなかった。同性カップルの結婚式で話題の東小雪による衝撃の書。 宝塚時代に受けた指導という名の暴力、宝塚退団をきっかけにした鬱や解離性人格障害、自分のセクシャリティに対する葛藤、性的虐待に向き合いサバイバーとして目覚めるまでの自叙伝。2015/07/30

Pirocchi

18
児童虐待の最悪さ、深刻さを感じた。私も現在も虐待を受けている被虐待児なので、色々なことを考えながらよんだ。小雪さんの母親の「事実の否定」と「言い逃れ」は本当に最悪だと思った。実際の虐待親の言葉は強い現実味を帯びる。しかも妙な説得力がある。虐待が目の前で行われたにも関わらず放置したもう片方の親も同罪だ。親はこどもを危害から守る義務があるにも関わらず、それをしなかった。それは犯罪で、法の裁きを受けるべき。小雪さんの母親も共犯者と同じであり、罪がある。私は捕まるに値すると思う。2014/06/01

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