舞台

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  • サイズ B6判/ページ数 186p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062187084
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

生きているだけで恥ずかしい――。思い切り笑い、最後にはきっと泣いてしまう。自意識過剰な青年の馬鹿馬鹿しくも切ない魂のドラマ!「生きているだけで恥ずかしい――。」自意識過剰な青年の、馬鹿馬鹿しくも切ない魂のドラマ!
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文になってしまう。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――?
思い切り笑い、最後にはきっと泣いてしまう。圧倒的な面白さで読ませる、西加奈子の新境地長編小説!

西 加奈子[ニシ カナコ]
著・文・その他

内容説明

29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文に。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に…。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは―。思いきり笑い、最後にはきっと泣いてしまう。―圧倒的な面白さで読ませる傑作長篇。

著者等紹介

西加奈子[ニシカナコ]
1977年、テヘラン生まれ。カイロ、大阪で育つ。2004年『あおい』でデビュー。2007年『通天閣』で第24回織田作之助賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

492
裏表紙の惹句は「命がけで『自分』を獲得してゆく青年の格闘が胸を打つ傑作長編」というのだが、これはもう明らかに羊頭狗肉。主人公の葉太(語り手でもある)は29歳。神経症的なまでの自意識の過剰さである。しかし、それは本人がそう思っているだけであって、実は大甘の人生観である。そもそも自分探しという年齢でもないだろう。太宰をきどりつつ(葉太という名前からも葉蔵を意識していることは明白)、その「恥」はいたって表層的である。また、いたるところに幽霊を見るという設定も謎。父親との葛藤も独り相撲。⇒2025/02/05

風眠

309
「パンまずい」、主人公の葉太が旅先のニューヨークでつぶやいたセリフ。私もニューヨークを旅したとき、同じことを思った。トイレの描写もその通りだなと思ったし、身の安全のため「現地人です」という服装と態度で街を歩いたことを思い出した。でもね、観光初日で盗難に遭ったというのに、体面ばかり気にする葉太の自意識過剰さには、呆れるというか何というか。物語の最後のほうで、自分のダメさを認めた葉太だけれど、でも多分、変われないんだろうなと思う。現実の自分を受け入れることは痛みを伴うこと。でもそれを乗り越えないと、生き辛い。2014/03/22

傘介

293
葉太、笑えるわ。と思って読んでいたけど、段々笑えなくなってくる。あいたたっ。でも憎めない。中2病の葉太を大人になりきれてない「少年」と捉えよう、ぬるい目で見守ろうと思っても、でも、もう29歳。きっと西さんはこういった未完成な男性像の自意識そのものを、疎まれると解ってても愛情こめて描き切りたかったんだろうな。でも同じニューヨーク舞台の青少年物なら、ちゃらんぽらんな高校生の自意識が少しずつ未知の世界によって開かれていく『世界のはてのレゲエ・バー』(野中ともそ)のほうがまだよかったような。2014/06/28

kishikan

230
半年ばかり、平積みの中で熟成させていた本を取り出す。西さんはこれで3冊目になるけど、これまでの西さんの作品とは随分異なる感じがする。僕は、村上春樹さんの小説を読んでいるような気分になったんだけど、どうでしょう。現代に生きていることへの苦悶をその「現代」の象徴都市であるニューヨークという街を舞台に、関心があるけど無関心、音楽や美や繁栄と衰退、勝者と敗者が混在する社会に弱い人間を飛び込ませて、俯瞰するというメタファー。PCを横に置き、ニューヨークのストリートビューを見ながら読みふけってしまいました。 2014/09/09

えむ

192
“圧倒的な面白さで読ませる”という紹介文とは違い、葉太の深層を描く純文学的作品と感じる。はしゃいだ人間にはバチが当たる。だから、幼いころから葉太は演じている。葉太の父も母も演じている。そこは舞台である。ただ葉太は演じても周りには誰もいない。タイトルは作中の小紋扇子(→common sense=常識)の新作小説名だが、その作者を好きだという葉太を皮肉っている様にも思える。2014-1072014/11/23

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