おはなしして子ちゃん

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  • サイズ B6判/ページ数 216p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062186308
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

芥川賞受賞後最新作!ブラックで残酷、ファンタジックでキュートな10篇の作品たち。新しい才能が迸るポップ&ダークな短篇集です。

ピエタのクラスに黒髪の転校生トランジがやって来た。「私の近くにいるとみんなろくな目に遭わない」というトランジの言葉を裏付けるように、学校で次々に殺人や事故が起きて……!?(「ピエタとトランジ」)
猿と鮭の死骸をくっつけて人魚を作る工場で、なぜか助六が作る商品には人魚としての自覚が足りない。人魚になりきれぬまま、「それ」は船に積まれ異国へと旅立ったが――(「アイデンティティ」)
14歳の夏、高熱を出した少女エイプリルは、後遺症で一日に一回嘘をつかなければ死んでしまう体になってしまった。美人のエイプリルを守るため、町の人々は様々な犠牲を払うが……(「エイプリル・フール」)
ブラックで残酷、不気味で怖いけれど、ファンタジックでキュートな10篇の作品たち。新しい才能が迸るポップ&ダークな短篇集です。

内容説明

小学校の理科準備室に閉じ込められた私。ホルマリン漬けの瓶に入った“あの子”が、一晩中お話をせがんできて(「おはなしして子ちゃん」)。「私の近くにいるとみんなろくな目に遭わない」黒髪の転校生トランジの言葉を裏付けるように、学校で次々に殺人や事件が起きて…!?(「ピエタとトランジ」)。14歳の夏、高熱を出した美少女エイプリルは、後遺症で一日に一回嘘をつかなければ死んでしまう体になってしまって(「エイプリル・フール」)。キュートで不気味、残酷だけど愛しい、恐るべき才能が炸裂する10篇の「おはなし」。ポップ&ダークな小説集。

著者等紹介

藤野可織[フジノカオリ]
1980年京都市生まれ。同志社大学大学院美学および芸術学専攻博士課程前期修了。2006年「いやしい鳥」で第103回文學界新人賞、2013年「爪と目」で第149回芥川龍之介賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

173
スゴイ!!なんかとんでもない作品を読んでしまった!!この感覚なんだろう?!めちゃくちゃ怖くて不気味でグロいのにドンドン読んでいってしまう面白い作品☆藤野可織さんは芥川賞受賞、フラウ文芸大賞を受賞されていたので気になってました!10編の短編集。装丁の可愛さと内容のギャップもいいです!気持ち悪くて怖いのにオシャレで幻想的な感じもして不思議。また藤野さん作品を読みたいなと思ってしまうクセになる感じ♪どのお話もインパクトあります!とても独特のセンスで読む人を選ぶ作品だと思いますがハマる人にはハマりそう(´▽`*)2014/08/13

めろんラブ 

147
ここに収録されている10短篇には、それぞれ作品として独立していると同時に地下茎で繋がっているかのような印象を抱きました。それは単にダークな奇譚という世界観の共有のみではなく、深部に既成概念の破壊と新たな価値観の創造という企てを感じたからかもしれません。いずれにしても、空恐ろしくなるほどの手練れぶり。美的グロテスクかつ繊細で伸びやかな表現、特に作者のフェティシズムのごとき美意識の炸裂には神々しささえ覚えました。異能の作家との出会いは、このうえなく嬉しくて。2015/04/21

風眠

128
そこはかとなく哀しくて、ほんのりと怖いのです。日常のエアポケットにストンと落ちてしまったかのように、残酷さと不条理さをうっかり受け入れてしまっている主人公たちが何だか怖いのです。芥川賞『爪と目』受賞後第一作となる短篇集は、やはり才能がある人なのだなぁ・・・と思わせる、不思議な吸引力があった。表題作の『おはなしして子ちゃん』、そして『今日の心霊』と『逃げろ!』が特に好き。読んだ後、迷子になったような心細い余韻が残る10篇の小さな物語たち。上品で洗練された文章だけれど、本の中からニュッと手が出てきそうな怖さ。2013/12/26

katsubek

103
ibook。短編集。イメージはズバリ、「難攻不落」。去年、藤野さんの講演を聞く機会があった。藤野さんはとてもおだやかな可愛らしい人なのである。されど、書くものはたいへんアグレッシブだ。「さあ、来られるものなら、ここまでおいで!」と挑発されているような気持ちになる。表題作がいい。でも、どれもいいなぁ。最後のやつなんか、「おぉ~、そう来るか!」みたいな感じである。ホテルに缶詰になって泣きそうになりながら書いたとのお話であったが、読む方も、泣きそうになりながらである。さぁ、チャレンジしてみよう!2014/02/02

ままこ

97
不気味なのに可笑しい。サラッと残酷。哲学的で奇妙。10編の幻想的な短編集。ホルマリン漬けの小猿と女の子の奇妙な交流の表題作。二人の女子高生のドライで刹那的な『ピエタとトランジ』。「猿です」「鮭です」「いいえ、人魚です」この台詞が頭にこびり付き1番印象に残った『アイデンティティ』。絶対こんな能力要らない『今日の心霊』。シュールな独特の藤野ワールド楽しめた。2019/05/20

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