佐治敬三と開高健 最強のふたり

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  • サイズ B6判/ページ数 482p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062186124
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0093

出版社内容情報

世界一のウイスキーをつくった経営者と無頼派作家の不思議な友情と、ビール戦争とベトナム戦争を戦った二人の夢の光芒真の経営者とはなにか。真の小説家とはなにか。そしてほんとうの友情とはなにか――300万人の命が失われ、焦土と化した日本が奇跡の復興へとむかう、高度成長期、やんちゃな経営者と作家が友情で結ばれ、たぐいまれなタッグを組んで、次々とヒットを飛ばす。サントリーがまだ寿屋と呼ばれていた時代、貧困のどん底から開高健を拾い上げ、活躍の場を与えたのが、世界一のウイスキーをつくった男・佐治敬三であった。開高はコピーライターとしての才能を花開かせ、在職中に芥川賞を受賞する。開高は佐治を必要としたが、佐治もまた開高を必要とした。やがて二人は経営者と社員という枠を越えた友情で結ばれていく。佐治が身を置いていたビジネスの世界は経営者が生命をかけた戦いの場だが、なかでも昭和三十六年(一九六一)のビール事業進出、ビールの巨人三社(キリン、サッポロ、アサヒ)による寡占(かせん)に無謀な挑戦は、まさに「ビール戦争」と言っていいものであった。経営者の姿を自分に重ねあわせ、作家・開高も戦場に向かう。アメリカが正義を旗印に介入した「ベトナム戦争」の渦中に身を投じる――。

北 康利[キタ ヤストシ]
著・文・その他

内容説明

ひとりは勝算なき「ビール事業」に挑み、もう一人はベトナム戦争の最前線に身を投じる。生産量世界一のウイスキーをつくったサントリー佐治と無頼派作家開高の不思議な友情がかなえた、巨大な夢。

目次

第1章 ふたつの戦争(シュタインヘーガー作戦;初戦惨敗 ほか)
第2章 佐治家 養子の謎(元祖やってみなはれ;おでこに蠅とまってるで ほか)
第3章 寿屋宣伝部とトリスバーの時代(ごぞんじ!開高健;洋酒天国 ほか)
第4章 オールドショックと犬の生活(オールドでつかんだ世界一;『夏の闇』の“女” ほか)
第5章 悠々として急げ(モンゴルに見た夢;「毒蛇は急がず」と言うたやないか ほか)

著者等紹介

北康利[キタヤストシ]
昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ、東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家としてみずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末、みずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

119
経済小説家と思っていたのですが、サントリー中興の祖の佐治敬三と開高健の友情を中心とした昭和の物語といえるのではないでしょうか?ウィスキーやビールを如何にして主力商品として今のサントリーに成し遂げたのか、開高を中心とした宣伝舞台の役割もかなり克明に描かれています。関西人のどぎつさなど面目躍如的な部分も結構あり楽しめました。2017/11/02

むぎじる

37
サントリー2代目社長の佐治敬三と、その社員であった開高健。雇用関係や年齢の枠を飛び越え、友情というよりもベターハーフと言っていいような厚いつながりに、2人を引き合わせたであろう神の存在を感じてしまう。幼少期に同じような悲しい孤独を経験し、豪快な面を見せながらも繊細な心を持つ2人は、多分にお互いを理解していたのだろう。「やってみなはれ」という名言を放ち、諦めず突っ走る佐治敬三の生き方や、楽しいことをやってやろうとギラギラしていた開高健。どちらも素晴らしい人たらしだ。すっかり2人のファンになり読了。2016/04/17

Tui

13
サントリーを大企業に押し上げた佐治と、サントリー宣伝部での編集業を足がかりに活躍の場を広げた開高。男と男の、身分や肩書きといった厄介な垣根を軽々と飛び越えた熱すぎる友情譚。気恥ずかしさを感じつつも、正直うらやましい。決して平坦な道のりではなく、多くの不幸も経てきた同士だからこそ、二人の絆は固かったのだろう。土臭い家族経営が絶滅危惧種である今となっては、日本も企業も成長期だった時代をなつかしむ本といえるかもしれません。また、国産ウイスキーの開発と発展の歴史も、いちお酒好きとして興味深いところ。「響」大好き。2016/04/24

さっと

11
おもしろかった。日本ウイスキーの代名詞・サントリーの二代目社長にしてビール事業への参入やサントリーホールはじめ文化事業を推し進めた佐治敬三と、サントリー社員としてコピー「人間らしくやりたいナ」や伝説のPR誌「洋酒天国」を世に送り出した小説家・開高健の友情物語。わたくしは完全に開高本としてもろもろのエピソードをつまみぐいしたろ精神で手に取ったわけですが、いやあ、佐治さん、すごい人ですね!これはトリス片手に、あるいはプレモル片手に読んでほしい。最高の肴です。この本から開高健に興味を持つ人が増えることを願って。2019/11/16

くみん

10
サントリー2代目社長の佐治敬三と、サントリーのコピーライターであった開高健の交流を暖かい眼差しで描いています。親族なのに鳥井さんと佐治さんの姓がある理由もわかりました。朝ドラのマッサンでも「やってみなはれ」と言っていた、その言葉と心意気が素敵。「日々に新たに」と常に前向きな姿勢は企業風土となっている気がします。体が大きく声も大きく豪快で明るいイメージしかなかった開高さん。繊細な心の裏返しだったのですね。お互い置かれた立場を越えて素の自分を出せることは、素晴らしい仕事をするに不可欠な存在だったのでしょう。2016/04/18

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