年金詐欺―AIJ事件から始まった資産消失の「真犯人」

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年金詐欺―AIJ事件から始まった資産消失の「真犯人」

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062184564
  • NDC分類 364.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

『年金情報』編集部vs.AIJ投資顧問・・壮絶な情報戦の後、浅川和彦社長は逮捕された。しかし事件はこれで終わりではなかった

AIJ事件とは、投資顧問会社が保有していた年金資産2000億円を消失させるという前代未聞の詐欺事件だった。情報誌『年金情報』編集部は、早くからAIJ投資顧問の不自然な運用成績に目を付け、潜行取材を続けていた。その結果は誌面にも発表して、業界に警鐘を鳴らしたが、事件は容易に表面化しなかった。事態がようやく動き出したのは2012年2月。AIJに処分が下り、浅川和彦社長らが詐欺容疑などで逮捕された。      
政府はこの事件を受けて、2012年9月、突然、厚生年金基金制度の廃止を決定した。国民の「老後の安心」を支える責任がある厚労省、年金官僚たちは、なぜ「豹変」したのか。その背景には、AIJ事件によく似た構図の資産消失事件や、運用に失敗して財政を悪化させている多数の厚生年金基金の存在があった。
日本の年金制度は大丈夫か。厚生年基金制度廃止は「年金制度の終わりの始まり」ではないのか。『年金情報』編集長として、AIJ事件など年金消失事件の深層を取材し、年金制度について知り尽くした著者が書いた、これからの年金受給者、年金受給者必読の書。
●本書の「読みどころ、ポイント」
・AIJ事件をめぐるAIJ投資顧問vs.『年金情報』編集部の「壮絶な情報戦」
・「野村證券史上一番の天才」浅川和彦、「24億円横領、107億円消失」年金基金事務長ら、詐欺師の「意外な素顔」
・MRI事件など、これからも次々と明らかになる資産消失事件の裏側がわかる
・浅川和彦求刑が、6月20日過ぎに予定されている
・年金制度取材20年の「著者」が年金制度とは何か、その仕組みをわかりやすく解説
・いまこの国の官僚が、「年金制度をどう変えていこう」としているかが、みえてくる

はじめに 広がる黒いシミ
序章 神と詐欺師
前編 ピエロ
第一章 虚像
第二章

内容説明

「事件」の裏側を知りすぎた情報誌『年金情報』編集部vs.AIJ投資顧問―壮絶な情報戦の末、浅川和彦社長は逮捕された。しかし事件はこれで終わりではなかった。『年金情報』編集長が続出する年金詐欺事件の深層と、その背後にある官僚、国家の意図を明らかにする。

目次

前編 ピエロ(虚像;増殖;因果;疑惑)
後編 宿痾(豹変;罪と罰;前夜;真犯人)

著者等紹介

永森秀和[ナガモリヒデカズ]
1965年生まれ。格付投資情報センター(R&I)編集部長兼『年金情報』編集長。メーカー勤務後、R&I入社。格付アナリスト、日本経済新聞記者(出向)を経て、92年から資産運用と退職給付制度の専門誌『年金情報』の編集に携わり、2000年に同誌編集長就任。07年に『ファンド情報』を創刊。09年まで同誌編集長を兼務。07年より編集部長。日本証券アナリスト協会検定会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

26
国民が切望する老後の安心を土台から支える年金。しかし、信頼を裏切る運用の悪さ、給付減、基金解散など(8頁)。私らは月4万だとも。一生バイトしろということらしい。年収5千万円(34頁~)。そんな馬鹿な。結論を言えば、AIJ側が年金基金を勧誘する際に提示した運用成績は、すべての年度、大量の水増し、ウソ(47頁)。明朗会計が必須。過半の顧客は契約を維持し続けた。情報は限られており、真偽を確かめようがなかった模様(145頁)。2015/01/12

シュラフ

15
今回のこの本は事件発覚以前からAIJの情報非開示に懸念を示していた年金情報編集者によるもの。事件の分析については年金専門家らしく、単に 主犯の浅川=悪人 といった単純のものではなく、事件のおこった背景として日本経済の低迷による運用環境の悪化⇒年金財政の悪化⇒打開策のない年金基金がAIJにすがらざるをえなかった という状況が分かりやすく書かれている。そして結果的に年金基金制度は廃止となるのだが、事件後のあまりにも早い厚労省の廃止決定について既定路線だったと推察したうえで厚生年金自体の問題にも踏み込んでいる。2015/04/20

kanaoka 57

4
年金制度の本質問題にも切り込んだ良書。本事件は後の企業年金制度の枠組みを大きく揺るがした。企業年金がハイリスク・ハイリターンに導かれ、その多くが失敗した反省が問われることなく、アベノミクスにおいては公的年金において株式運用比率の拡大が目指されている。日本の現状を鑑みてその事自体に反対ではないが、「金融資本主義」と「世代を超えて支えあう」という理念の大きな隔たり、「老後の安心を実現するという制度理念」と「制度を取り巻く関係者の個人利権」とが共存できるのかという問題等、根本的な疑念は晴れない。2015/08/18

gasparl

3
企業年金の運用絡みの詐欺として騒がれたAIJ事件を、年金専門誌編集長が書いたノンフィクションです。AIJ事件の経過を描いた前半、関係者や企業年金ひいては制度そのものの構造の問題点を述べた後半に分かれています。実質これで厚生年金基金の制度はトドメとなった訳ですが、そんなもん実はとっくに終焉みえてただろ、という意図の後には、厚生年金、国民年金そのものもどなたさんかによるおおがかりなさぎなんじゃないの…という何かが読めてとれたり。2014/02/03

shige

3
AIJ事件を中心に描かれています。年金専門誌の編集長による著作と聞いて購入しました。著者が会食中にある弁護士から、「結局、年金制度はリアルじゃないんですよね」と言われ、こたえたという場面が強く印象に残りました。年金基金運用担当も、ファンドも、行政も、加入者も全て「リアル」に感じられなかったからこそ、AIJのような事件が起きたり、一部の運用担当者が責任逃れのような発言を繰り返すのではないか…と思います。2013/08/11

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