陽炎の門

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  • サイズ A5判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062183000
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

友を陥れてまで、己は出世を望んだのか――。組織のしがらみを生きる者の苦悩と哀切。あやまちを犯した若き執政の、再生の道は?

友を陥れてまで、己は出世を望んだのか――。若き執政がゆく道は、栄達か、修羅か。
職務において冷徹非情、若くして執政の座に昇った桐谷主水。かつて派閥抗争で親友を裏切り、いまの地位を得たと囁かれている。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。あるとき、由布の弟・喬之助が仇討ちに現れる。友の死は己が咎か――主水の足元はにわかに崩れ、夫婦の安寧も破られていく。すべての糸口は、十年前、主水と親友を別った、ある〈事件〉にあった。

著者史上、最上の哀切と感動が押し寄せる。組織を生き抜く者たちへ--直木賞作家・葉室麟の最新作! 峻烈な筆で描き出す、渾身の時代長編!!

【著者紹介】
葉室 麟(はむろ・りん)
1951年福岡県北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業。地方紙記者などを経て、2005年「乾山晩愁」で第29回歴史文学賞受賞し、デビュー。2007年『銀漢の賦』で第14回松本清張賞、2012年『蜩ノ記』で第146回直木賞を受賞。近著に『星火瞬く』『無双の花』『散り椿』『霖雨』『千鳥舞う』『この君なくば』『螢草』『おもかげ橋』『春風伝』など。

内容説明

職務において冷徹非情、若くして執政の座に昇った桐谷主水。かつて派閥抗争で親友を裏切り、いまの地位を得たと囁かれている。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。互いに愛情が芽生えはじめた頃、由布の弟・喬之助が仇討ちに現れる。友の死は己の咎か―。足元はにわかに崩れ、夫婦の安寧も破られていく。すべての糸口は十年前、主水と親友を別った、ある“事件”にあった。誰もが一度はあやまちを犯す。人は、そこからどう生きるのか。峻烈な筆で描き出す、渾身の時代長編。

著者等紹介

葉室麟[ハムロリン]
1951年福岡県北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業。地方紙記者などを経て、2005年「乾山晩愁」で第29回歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。2007年『銀漢の賦』で第14回松本清張賞、2012年『蜩ノ記』で第146回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

藤枝梅安

71
豊後・黒島藩を舞台とした、この作者が得意とする「お家騒動」もの。若くして執政の座に上った桐谷主水は、かつて親友の切腹を介錯した経験を持つ。しかも、友人が切腹した原因は桐谷にあるという。その桐谷が無き友人の娘を娶っている。藩内の桐谷への冷たい視線、無き友人の嫡男、すなはち妻の弟からの仇討ちの名乗り。公私にわたって苦境に立たされる主水だが、過去の事件を調べるうちに藩内の派閥抗争と新藩主の若き日の放埒が明らかになってくる。驚くべき結末と哀れむべき若者の死。作者は交錯する感情を書き切らず読者の想像に託す。2013/07/28

くりきんとん99

56
出世のために友を裏切ったと言われる主水が執政になってからの1年が描かれている。味方がいないと思われるようななかでも自分を見失わず、そして妻である由布を大切にする主水がカッコいい!2013/07/27

emico

53
葉室さんの作品!という感じのストーリーで、味わい深い話です。ミステリー要素があり、先に先にと読み進めたくなる展開にも関わらず、心に響く所もある作品です。最後の与十郎から主水に宛てた手紙は、涙でした。2014/05/23

よむよむ

47
葉室作品2作目。友の切腹を推し進め、介錯までした桐谷。途中までモヤモヤ感が強くなかなかページが進まなかったが、終盤に来てどぉんと展開してから大団円まで一気読み。時代物の醍醐味を存分に味わえました。オススメです。2013/07/28

けい

44
時代小説は昔によく読んだけれど、舞台および人物の設定が架空のものは読まず嫌いの感じでした。実在の人物を設定したものとはまた違う面白さがあり、読まず嫌いをして損をしてしまったと後悔しています。本作は主人公「桐谷主水」が出世のために友を裏切った設定で展開されます。本人も自責の念に駆られ、前半は心の弱さが目立ちます。しかし、友を思い、妻を思う強い心で敵に立ち向かって行くことができるようになります。ラストは「おおっ」ていう展開でしたが、それを妻の由布が見抜いていたところも・・・。やはり女性は鋭い2013/05/15

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