濡れた砂の上の小さな足跡

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062182515
  • NDC分類 956
  • Cコード C0098

出版社内容情報

治療法のない難病に冒された幼い娘とその家族。フランスの女性ジャーナリストが自らの体験を綴ったベストセラー、ついに日本語版発売

夫と4歳の長男、まもなく2歳を迎える娘。なに不自由のない幸せな家族を思いもかけない病魔が襲う。
2歳の誕生日を迎えたその日、娘タイスが異染性白質ジストロフィーという難病に冒されていることがわかり、「2年から5年の余命」という宣告を受ける。しかもそのとき、彼女はすでに3番目の子どもを身ごもっていた。
あらゆる運動機能を侵され、視力、聴力、嗅覚といった五感も奪われて死に至る、非常に過酷な病を前に、彼女は決心する。長く生きられないのであれば、残された人生を、それがどんなに短いものであれ、精いっぱい生きさせたい
生まれてきた次女にもまた同じ病気が見つかる。すぐに骨髄移植を行えば助かる見込みがあることを知った彼女は、新生児の移植手術に挑む一方で、目に見えて衰えてゆくタイスの生活を支え続ける。彼女の周囲には、多くの人びとの支援の輪が広がる。しかし、この輪を支えていたもの、それは輪の中心にいたタイスの愛であったことに著者は気づかされる。
2011年、フランスでベストセラーとなったノンフィクション。すでに17ヵ国で翻訳、出版されている。

【著者紹介】
パリ在住の元ジャーナリスト。4人の子どもの母親。現在は活動をやめ、執筆及び家族に集中。フランスでは「Paroles de patients (患者の証言)賞」及び「Le Pelerin誌証言賞」を受賞。

内容説明

「余命は2~5年」。不治の病に冒された2歳の愛娘に下された非情な宣告。そして、生まれてきた次女にも同じ遺伝性疾患が…。あらゆる運動機能を侵され、五感もすべて奪われた幼い娘・タイス。泣くことすらできないのに、愛することはできる…。たたそれだけを、あらん限りの力で…。いくつもの痛手を、障害を、衰えを越えて…。フランスの女性ジャーナリストが自らの体験を綴ったノンフィクション。

目次

1 「あなたにはわからないだろうけれど…」
2 今だけを生きる
3 言葉のない「愛」
4 「私はここにいるから」
5 決定的な宣告
6 愛しているという証
7 素晴らしき家族
8 タイスの誕生日
9 その夜…

著者等紹介

ジュリアン,アンヌ=ドフィーヌ[ジュリアン,アンヌドフィーヌ] [Julliand,Anne‐Dauphine]
パリ在住の元ジャーナリスト。4人の子どもの母親。現在は活動をやめ、執筆及び家族に集中。フランスでは「Paroles de patient(患者の証言)賞」及び「『Le Pelerin』誌証言賞」を受賞

平野暁人[ヒラノアキヒト]
翻訳家。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程在籍。フランス国立東言語文化研究所、社会科学高等研究院などへ遊学の末、翻訳業へ。戯曲から精神分析、ノンフィクションまで幅広く手がける。また演劇専門の「言語文化仲介者」として平田オリザ氏率いる劇団・青年団をはじめ、静岡県舞台芸術センター、ジュヌビリエ国立演劇センター、カーン国立演劇センターなど国内外に複数の拠点を置き活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

milk tea

31
異染性白質ジストロフィーという神経性の病に冒される2番目の長女タイス。そしてお腹の中にいる3番目の赤ちゃんも1/4の確率で疾患を持っている恐れがあると言われ出産に臨むが、結果はタイスと同じだった。この病気は残酷なことに赤ちゃんから10代後半に発症するという。1番目の兄ガスパールは幼いながらも常に自然体で妹たちを可愛がる。家族とその周りにいる人たちとの信頼や絆も強い。病気だから不幸なわけじゃない。幸せも平等にやってくる。2019/07/15

秋桜

6
自分の子供が難病に冒されて「余命2年から5年」と宣告を受けたらとどうするだろうかと思いながら。。。あらゆる運動機能が侵され視力、聴力、視覚という五感も奪われて死に至る。小さな子供が、数年しか生きることができないなんて考えただけで辛くて悲しい。本書は、ただ悲しいだけの話ではなく、「愛」をテーマにして書かれてると思う。2015/11/08

桐一葉

4
途中、感情の渦に巻き込まれる気がして苦しくなって、なんてリアルに感情ぶつけてきはる小説なんやろーて思て。読み終わるまでノンフィクションやとは思わへんかった。亡くなることは辛いし悲しい。せやけどこんなに人が集まって側に居てくれはった。それはこの子がそうさせた人徳やと思うし、あたしはそれが人生で一番幸せで大事なことやと思うからかわいそうではない。愛に溢れた生涯やと感じた。2015/05/21

たません

2
子どもがおしえてくれたことを観て大好きになって、この本に辿りついた。子ども達は大人が考えているよりちゃんとわかっている。それを信じて庇護するのではなく、共に成長する姿勢に感銘を受けた。むしろ大人の方が臆病かもしれない。タイスだけでなく、兄のガスパール、小さなアズィリス、周囲の従姉妹たち。真っ直ぐに真摯に病気を受け入れ、命を大切に生きることを全うする。過酷な状況に折れず前を見ていられる自然体にハッっとさせられる。生きるってそういう事なのか、大人になると見えない世界が確かにここにあった。2019/11/16

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