エンタメ小説進化論―“今”が読める作品案内

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エンタメ小説進化論―“今”が読める作品案内

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062181785
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

あの作品×ツイッター=? 要注目の作家・小説と社会現象を絡めて論じ、さらなる10年を予見する、必読の最新エンタメ指南書!2000年代以降にデビューした作家、あるいはブレイクした作品と、社会のムーブメントを絡めて論じることで、今、私たちが必要としているエンターテインメントの核を分析し、私たちが潜在的に抱えている問題、欲しているものに切り込む評論集。
さらに、次なる10年に向けてエンターテインメントの可能性を大胆に予想します。ゼロ年代以降急激に発達を遂げたインターネット、地方都市の均一化が進む一方で注目される地域性の見直しなど、二次元から三次元までの造詣が深い著者ならではの切り口が読みどころです。2011年?2012年のヒット作、注目作を30冊以上網羅したブックガイドとしての側面もあります。

はじめに
ガジェット
●“今”を共有するメディア
ツイッター×新城カズマ『15×24』×冲方丁『天地明察』
●グーグルのような作家
電子書籍×伊坂幸太郎『マリアビートル』×舞城王太郎『獣の樹』
●日常なき世界の遠近法
3D×西尾維新『零崎人識の人間関係』四部作
●視聴覚教室の魅力
ネット動画×朝井リョウ『少女は卒業しない』×東川篤哉『放課後はミステリーとともに』
アイコン
●自分がなりたい自分
レディー・ガガ×沼田まほかる『ユリゴコロ』×綿矢りさ『かわいそうだね?』
●ワルとピュアの同居
EXILE×中山七里『贖罪の奏鳴曲』×米澤穂信『折れた竜骨』
●裏返された“絆”ストーリー
AKB48×桜庭一樹『伏』×飴村行『爛れた闇の帝国』
スポット
●まちおこしとセカイおこし
ご当地グルメ×谷川流『涼宮ハルヒの驚愕』×辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』
●互いの異質さを許容する空間
ショッピングモール×三浦しをん『舟を編む』×高野和明『ジェノサイド』
●抽象的な思考力の強度
工場見学×宮内悠介『盤上の夜』×円城塔『道化師の蝶』
●過去と未来が出会うところ
東京スカイツリー×道尾秀介『水の柩』×吉田修一『平成猿蟹合戦図』
総論
●1.歴史の切断と延長
3・11と『ジェノサイド』の癒し/転換期の物語/改革の旗手とレトロ趣味の作家/『光』における過去と未来の選択
●2.ゆるいコミュニケーション
 “絆”の虚実/悪漢小説のような『トッカン』/ゆるいコミュニケーションと“今”/万城目学の非歴史性/ゆるやかさにある希望
●3.非選抜の場所
レディー・ガガとAKB48、EXILE/『非選抜アイドル』と『もしドラ』/『俺俺』の悪夢/『屍者の帝国』と『光圀伝』/『夜の国のクーパー』のささやかな決断
あとがき
主要参考文献
初出一覧


円堂 都司昭[エンドウ トシアキ]
著・文・その他

内容説明

相関する物語と現実。絡めて、論じて、新時代を見据える、ぼくらの最先端エンタメ地図。

目次

ガジェット(“今”を共有するメディア―ツイッター×新城カズマ『15×24』×冲方丁『天地明察』;グーグルのような作家―電子書籍×伊坂幸太郎『マリアビートル』×舞城王太郎『獣の樹』;日常なき世界の遠近法―3D×西尾維新『零崎人識の人間関係』四部作;視聴覚教室の魅力―ネット動画×朝井リョウ『少女は卒業しない』×東川篤哉『放課後はミステリーとともに』)
アイコン(自分がなりたい自分―レディー・ガガ×沼田まほかる『ユリゴコロ』×綿矢りさ『かわいそうだね?』;ワルとピュアの同居―EXILE×中山七里『贖罪の奏鳴曲』×米澤穂信『折れた竜骨』;裏返された“絆”のストーリー(AKB48×桜庭一樹『伏』×飴村行『爛れた闇の帝国』))
スポット(まちおこしとセカイおこし―ご当地グルメ×谷川流『涼宮ハルヒの驚愕』×辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』;互いの異質さを許容する空間―ショッピングモール×三浦しをん『舟を編む』×高野和明『ジェノサイド』;抽象的な思考力の強度―工場見学×宮内悠介『盤上の夜』×円城塔『道化師の蝶』;過去と未来が出会うところ―東京スカイツリー×道尾秀介『水の柩』×吉田修一『平成猿蟹合戦図』)
総論(歴史の切断と延長;ゆるいコミュニケーション;非選抜の場所)

著者等紹介

円堂都司昭[エンドウトシアキ]
1963年、千葉県生まれ。文芸・音楽評論家として精力的な評論活動を展開している。1999年、「シングル・ルームとテーマパーク綾辻行人『館』論」で第6回創元推理評論賞を受賞。2009年、『「謎」の解像度ウェブ時代の本格ミステリ』(光文社)で第62回日本推理作家協会賞と第9回ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおかみ

9
「同時代の事象×小説×小説」の形式で、時代の推移に対し小説がいかに応答したかを考察する。もともとは「事象」と「新刊小説2作」を関連づけて論じるという「むちゃぶり」のもと、「メフィスト」誌で連載されていた文章だそうで、半ば強引な議論をしているところも確かにある。一方で、この「むちゃぶり」はむしろ斬新な視点を提供するのに役立っているとも言える。それぞれの事象と小説が同じ時代に存在し、大衆から支持を得たのは事実で、その背景を考えることは理に適っているのだが、しかし困難な作業だったに違いない。2013/02/10

鳩羽

3
小説二冊と同時代のトピックを一つ編集者が「むちゃぶり」で選び、それらを合わせて論じるという書評でもあり、社会論でもあり、ブックトークの逆バージョンのようでもある本。むちゃぶりという割には、どれも納得してしまって、編集者の選択がよかったのか、筆者がうまいこと書いたのか、それとも同時代に支持されるものは何らかの共通項を持つものなのか、なかなか新鮮で面白かった。ミステリだとかSFだとか、ライトノベルだとかのジャンルを「エンタメ小説」とまとめることで、熱心なそのジャンルの読者じゃない層を感じさせるのかもしれない。2013/09/26

hixxxxki

1
話をつなげるのがうまい2014/12/03

あんすこむたん

0
少し無理を感じる所があるもののユニークな視点からの分析は、なかなか面白い。「伊坂幸太郎」と「舞城王太郎」との比較でもある「グーグルのような作家」が、一番質が高く思える。2015/11/01

一撃

0
ラノベを読んでいるのでこういう本も読んでおこうと思い購入。論の持って行きかたにちょっと無理があるような気がしないでもないが、むちゃぶりを根底にしているようなのでこういう考え方というか連結の仕方もありかなと思ったり。各作品についてわかりやすくまとめられているので、作品案内としてはとても面白いと思った。2015/01/15

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