出版社内容情報
日本各地に三万あるという「お稲荷さん」。なんでこんなにたくさんある? なぜ狐? 伏見稲荷を祀りはじめた渡来人秦氏の謎に迫る。
伏見稲荷大社と秦氏は、「古代史最後の謎」ではなかろうか。
稲荷信仰最大の謎は、社数が多いことだ。日本各地で祀られ、八幡神と並び、祠の数で他を圧倒している。
その一方で、「なぜ狛犬ではなくキツネが結界を守るのか」その理由が、はっきりとしない。
伏見稲荷を祀りはじめたのは秦氏だが、秦氏も謎めく。
秦氏は朝鮮半島南部から日本列島にやってきた渡来人だ。山背地方(京都府南部)に根を張り、殖産に務め、ヤマト朝廷を豊かにした人々である。
秦氏はアメーバのような存在で、血のつながりで固まっていたのではなく、大規模な職能集団と考えた方がわかりやすい。飛鳥時代に秦河勝が聖徳太子に寵愛されたという話は有名だが、秦河勝以外で、歴史に名を残した人物がいなかったのは、そのためだ。
もちろん、だからといって、秦氏が日本の歴史に影響力を持たなかったのかといえば、そんなことはない。「日本の基層文化を築きあげたのは秦氏だった」といっても過言ではない。 なぜ、古代で最大の勢力を誇り、日本の基礎を築いた秦氏が、差別される民になっていくのか。なぜ稲荷信仰は、日本各地に伝播していったのか。
古代史最後の謎を、解き明かす。
第一章
内容説明
秦氏はなぜ歴史の表舞台から消えたのか!?伏見稲荷大社と渡来系の秦氏に秘められた「古代史最後の謎」の解明に迫る。
目次
第1章 伏見稲荷の不思議(日本人的感性とキツネ;太古の日本人の信仰を色濃く残す稲荷信仰 ほか)
第2章 太秦広隆寺の不思議(広隆寺に残されたユダヤ?;広隆寺の歴史 ほか)
第3章 差別される殖産的氏族=秦氏(なぜ中大兄皇子らは秦氏に頼らなかったのか;神聖な存在が零落して差別される者になった? ほか)
第4章 聖者殺しと秦河勝(秦河勝をめぐるどうしても解けぬ謎;なぜ中大兄皇子と中臣鎌足は蘇我入鹿を殺したのか ほか)
第5章 秦河勝の背負う十字架(なぜ秦河勝は祟るのか;なぜ芸能と秦河勝が結びつけられたのか ほか)
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
1959年、千葉県柏市に生まれる。歴史作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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