出版社内容情報
自殺から「生き返った」会社員が、自らの死因を追求して辿りついた真相とは・・・?現代の生と死、そして幸福の意味を問う衝撃作!ある日、勤務先の会社の会議室で目覚めた土屋徹生は、自分が3年前に死亡したことを知らされる。死因は「自殺」。しかし、愛する妻と幼い息子に恵まれ、新商品の開発に情熱を注いでいた当時の自分に自殺する理由など考えられない。じつは自分は殺されたのではないか。とすれば犯人は誰なのか、そして目的は? 記憶から失われた自らの死の謎を追求していく徹生が、やがてたどりついた真相とは・・・? ミステリー仕立てのストーリーを通し、自殺者3万人を超える現代の生と死、そして幸福の意味を問う傑作長編小説!講談社現代新書『私とは何か 「個人」から「分人」へ』と併せて現代のテーマに向き合う注目作。モーニング連載の話題作。
第一章 生き返った男
1 《Save Me》
2 傷痕
3 妻が明かす事実
4 俺はそんな人間じゃない!
第二章 人殺しの影
5 開封された死
6 居場所はもうない
7 佐伯という男
8 遺伝子が泣いている
第三章 惑乱の渦中へ
9 不意打ち
10 母と妻
11 交わり
12 「人間だもの」
第四章 過去が明るみに
13 人が人を殺す時
14 誘惑者
15 幸福への抜け道
16 打ち砕かれた過去、そして未来
第五章 茫然自失
17 まったく身に覚えのない声
18 絶望的な反復
19 帰郷
20 生き残した人生
第六章 決定的な証拠
21 復生者たち
22 再生された空白
23 死後の世界
24 千佳の「秘密」?
第七章 楽園追放
25 反人間的な、あまりに反人間的な
26 「で、これの何が面白いんですか?」
27 アダムとエヴァが、いなくなったあとのエデン
28 死は傲慢に、人生を染める
第八章 勝者なき戦い
29 どこにも痕のない咬み傷
30 氾濫する自画像
31 ゴッホ殺しの犯人
32 消された文字
第九章 真相
33 蘇る記憶
34 最後の一念
35 終点まで止まらない電車
36 生の麻薬
第十章 夢のような一時
37 再出発
38 死者の居場所
39 幸福の手応え
40 隠しごと
第十一章 空白を満たしなさい
41 消えゆく命
42 言わずには、いられなかった
43 「空白を満たしなさい」
44 もう夜には後戻り出来ない
45 永遠と一瞬
平野 啓一郎[ヒラノ ケイイチロウ]
著・文・その他
内容説明
世界各地で、死んだ人間がよみがえる「復生者」のニュースが報じられていた。生き返った彼らを、家族は、職場は、受け入れるのか。土屋徹生は36歳。3年前に自殺したサラリーマン、復生者の一人だ。自分は、なぜ死んだのか?自らの死の理由を追い求める中で、彼は人が生きる意味、死んでいく意味を知る―。私たちは、ひとりでは決してない。新たな死生観を描いて感動を呼ぶ傑作長編小説。
著者等紹介
平野啓一郎[ヒラノケイイチロウ]
1975年、愛知県生まれ。京都大学法学部卒。98年「日蝕」でデビュー。同作が第120回芥川賞を受賞する。2009年『決壊』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、『ドーン』で第19回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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