カジュアル・ベイカンシー―突然の空席〈１〉

ローリング，Ｊ．Ｋ．【著】〈Ｒｏｗｌｉｎｇ，Ｊ．Ｋ．〉/亀井 よし子【訳】

講談社（2012/12発売）

• サイズ A5判／ページ数 413p／高さ 20cm
• 商品コード 9784062180221
• NDC分類 933
• Cコード C0097

出版社内容情報

全世界で４億５千万冊を売り上げた「ハリー・ポッター」シリーズ完結から５年、J.K.ローリング初の大人向け本格長編小説、待望の日本語版いよいよ刊行へ！

イギリスの小さな町、パグフォード。バリー・フェアブラザーという住人が４０代の若さで突然亡くなり町民を驚かせた。パグフォードは石畳の広場や古い僧院がある、一見牧歌的などこにでもある町だ。しかし小さいながら見た目とは異なり、この町は実にさまざまな対立を抱えていた――富める者と貧しい者、ティーンエイジャーと親たち、妻と夫、教師と生徒――。実はバリー・フェアブラザーは教区会評議委員のメンバーだったが、突然の死去による空席によって、予想だにしない騒動が町を揺るがすことになる！　怒り、憎しみ、二枚舌、さらには思いもかけない秘密の暴露……。当代きってのストーリー・テラー、J.K.ローリングが満を持して放つ最新作。かつての少年・少女たちはもちろん、新しい読者をも魔法にかける本格的長編小説の誕生！

■ casual vacancy とは：英語の慣用句。構成メンバーの突然の死亡、辞任、資格不備等によって、公的・私的な議会、委員会、集い等に思いがけなく空席が生じること。

内容説明

一見のどかなイギリスの町パグフォード、ある男が４０代の若さで死んだ。その死をきっかけに立て続けに起こる事件の連鎖…。普通の人々の内面が次々と暴かれてゆく。次の場面がどうなるか気になって、読み出したら止まらない。小さな出来事が集まってやがて大きな流れとなり、最後は奔流となって胸を締め付ける結末へ。強く、そして深く、あなたの心に届く―小さな町の大きな物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ひめありす＠灯れ松明の火]

カジュアル・ベイカンシー。それは突然の空席。イギリスの小さな地方都市に開いてしまった空席、虚無の黒孔は一体何だろう。人望ある主席議員の脳血管に開いた穴か。家族を繋ぎとめていた家長の席か、落ちこぼれの女学生を救うボート部コーチの不在か、ダウンタウンと町をつなぐ橋の陥没か。一度開いた空席は塞がらない。穴から見える住民の本質。SEX、ドラッグ、虐待、鬱。世界一鮮やかに魔法を掛けた、世界一誇り高き新人作家は、この汚雑で糞ったれな物語にどう結末をつけるのだろう。たった一つの空席が埋まる時、どんな魔法が組み上がるのか

2013/04/10

[ally]

レビューを読んで躊躇っていたが読んでよかった！面白くて一気読み！あれだけの大作を生み出した作家にはつきものかもしれないが、「HP 的な面白さ」を期待されすぎたのかなと。全く別の作品なのだから、それを意識して読めば楽しめると思います🙂自分の事で頭がいっぱいの大人達に蔑ろにされる子供達。街全体が病み、暗くて逃げ場がない。魔法もホグワーツのような心の拠り所もない、気が滅入るそんな「現実」が巧みに表現されている。事柄と人物の結び付け方、伏線の張り方はさすがです！後半が気になり続けざまに次巻へ手が伸びる…

2019/01/04

[ゆのん]

再読。ハリーポッターシリーズの作者が新作を出すっていうので当時予約して購入し一気に読んだ記憶げある。年月が経ちすっかり内容を忘れたので読み返した。イギリスののどかな街である男が死ぬ事により起こる事件の連鎖がおもしろい。ファンタジーどころかガッツリ現代の人の心の闇が浮彫りになっていてローリングの手法に脱帽。

2018/03/04

[kumicom]

これと言って山も谷もない。言うべき言葉も見つからない。この作者、本当にあのワクワクする長編を書き上げたJ.K.ローリングなのかな？いつ面白くなるんだろうって読み進めたけれど、あと10ページを残して挫折。私には合わなかったみたい。ただ登場人物がどう動いたかだけの羅列に、頭が疲れてしまいました。それに少し品がないようにも感じたし。もしかしてこのあとどんでん返しで面白くなるのかな。もう次巻に手を出す気力が出ない。

2015/09/04

[りょうこ]

うーん。上巻だけでは何とも言い難い。登場人物が多いのと突然、愛称で書かれたりと途中で何度も登場人物の表？を見返したりと読むペースが落ちやすい。一度間を空けてしまうと下巻に行く気がなくなりそうなので、この勢いのまま下巻に行きます！下巻ではもう少し盛り上がりがあるといいな！

2014/01/13