ハンナの記憶 I may forgive you

電子版価格
¥1,265
  • 電子版あり

ハンナの記憶 I may forgive you

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 242p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062178068
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

今伝えなければ―2011年3月11日、中二の波菜子は祖母の秘密の交換日記を見つける。戦時中の敵国人抑留に光をあてた青春小説。I may forgive you.(許してあげてもいい)
波菜子のおばあちゃん・静子のもとに届けられた謎のクリスマスカード。差出人の名はハンナ・フォックスとあった。
痴ほうの初期症状が現れ、一週間後には施設への入所が決まっているおばあちゃんは、まったく身に覚えがないと言うが、波菜子はおばあちゃんとハンナが第二次世界大戦中に交わしていた秘密の交換日記を見つける。
ハンナはイギリス人とのクォーターで、おばあちゃんの親友だったのだ。
横浜の山手に住み、おばあちゃんと同じように女学校へ通い、日本を母国と思っていたハンナは、戦時中、敵国人の血が流れているという理由で、自由を奪われ、神奈川県厚木市での抑留生活を強いられていた。
手を伸ばせば届くようなところに、帰るべき家があるのに帰れない。うちに帰りたい。
交換日記には、つらい日々を送るハンナの思いがつづられていた。
それは、東日本大震災に伴い発生した福島第一原発の事故で、避難を強いられた人たちと、奇しくも同じものだった。
打ち切られた交換日記と、クリスマスカードの謎を、大震災後の混乱のなか、波菜子は何かに急き立てられるように追っていく。
その先に、ハナという愛称で決して呼んではくれないおばあちゃんとの、目には見えない壁を越えられるかぎがあるような気がして……。
敵国人抑留という史実を織りこみながら描かれたフィクション。

長江 優子[ナガエ ユウコ]
著・文・その他

内容説明

「山手のおばあちゃん」静子の家出、謎のクリスマスカード、そして東日本大震災の発生…さまざまな事件が起こるなか、波菜子は67年前の秘密の交換日記に手を伸ばす。戦時下の横浜、日本とイギリスの少女の友情をえがいた青春小説。

著者等紹介

長江優子[ナガエユウコ]
1971年東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業。テレビの構成作家として主に子ども番組の制作に携わる。2006年『タイドプール』で第47回講談社児童文学新人賞佳作を受賞。同作品でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

糸車

26
二月の子どもの本の読書会課題本。主人公の祖母の女学校の友人との交換日記からうかがい知れる第二次世界大戦中の日本。クォーターであるために日本かイギリスかどちらを祖国にするか選べと迫られるなんて酷な話だ。それまで同じように暮らしていた隣人が「敵国人抑留」と言う言葉で引き裂かれる時代だった。孫世代が思うより祖母の苦悩は深いのでは。この手の本は書いてある部分より書いていない部分が深く大きい気がする。東日本大震災の話はまだ生々しくて冷静に語れないけれど、それぞれに思いが違うなりにまだ受け止めやすい。わたしは。2016/02/19

百太

22
東日本大震災時から解り始める祖母の第二次世界大戦の幼少期の出来事。 戦争中日本在住の外国人とみなされた人達について書かれていた物語は読んだ事なかったです。良かったです。 2019/02/19

むぎじる

20
少女時代の祖母シズが、友のハンナとつづった交換日記。現在のシズのもとに届いたハンナからのクリスマスカードには、「許してあげてもいい」という謎の一言が書かれていた。仲良しだった2人がなぜ別れ、連絡を取り合うこともなかったのか?シズの孫である波菜子が、2人の関係を探る。外見と国籍は外国人でありながら、生まれも育ちも日本。心の中は日本人なのに、敵国人とみなされ隔離される。自分の存在も否定され、やりきれない思いを抱える人々。戦争が人から奪ったものの大きさを改めて感じた。2013/06/04

はるき

16
戦争と震災を軸に少女たちの心の機微を鮮やかに描く。大きなうねりの中で懸命に生きる彼女たちの若さに感嘆する。良書。2016/02/07

マツユキ

15
期間限定で祖母と暮らす事になった波菜子は、祖母宛に届いたクリスマスカードの一文が気になる。差出人は、イギリスに住むハンナ。波菜子は、祖母の荷物から、少女時代の祖母とハンナの写真と交換日記を見つける。そんな時、東日本大震災が起こり…。 戦争も、地震も、語られていない事の方が多いんですが、過去をどうやって受け取るか、未来にどうやって伝えていくのか。ここで終わるのか。心許ないですが、それぞれの日常の中、祖母を思う家族が爽やか。中学生活はなんだか楽しそう。家出良いな。2021/07/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5183701
  • ご注意事項

最近チェックした商品