ラスト・バタリオン―蒋介石と日本軍人たち

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  • サイズ A5判/ページ数 366p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062178013
  • NDC分類 392.224
  • Cコード C0021

出版社内容情報

スタンフォード大で公開が始まった蒋介石日記。貴重な資料をもとに蒋介石の軍事顧問となった日本人元将校団、「白団」の正体を追う。 戦後の約20年間、台湾において旧大日本帝国軍人による大規模かつ組織的な軍事支援がおこなわれていました。密航して台湾に渡り、蒋介石の軍事顧問となった彼らは「白団」と呼ばれました。その名はリーダーを務めた元陸軍少将・富田直亮が「白鴻亮」という中国名を名乗っていたことに由来します。
 しかし、よく考えてみれば旧敵たる蒋介石を、どうして日本人たちがさまざまな危険を冒して海を渡って助けなければならなかったのでしょうか? 逆に、どうして日本の旧軍人たちに助けを乞いたいと蒋介石は考え、実行に移したのでしょうか? 蒋介石のいわゆる「以徳報怨」演説と敗戦国日本への寛大な政策への恩義、反共というイデオロギーでの一致、日本人の勤勉さへの蒋介石の畏敬の念……。さまざまな要素が絡まりあって史上例を見ない不思議な軍事顧問団が形成されていったのです。ただ、そこには当然、それぞれの思惑、建前と本音が存在しました。本書は足かけ七年を費やしてアメリカ、台湾、日本に散在する未公開資料を渉猟し、関係者を取材した記録です。蒋介石という政治家の実像と白団の等身大の姿が、いまはじめて浮かび上がってきます。

プロローグ 病床の元陸軍参謀
第1章    蒋介石とは何者か
第2章    岡村寧次はなぜ無罪だったのか
第3章    白団の黒子たち
第4章    富田直亮と根本博
第5章    彼らの成しとげたこと
第6章    戸梶金次郎が見た白団
第7章    秘密の軍事資料
第8章    白団とはなんだったのか
エピローグ 温泉路一一四号


野嶋 剛[ノジマ ツヨシ]
著・文・その他

内容説明

蒋介石の「以徳報怨」演説に感激し、「反共」の大義を奉じた旧帝国軍人たち。「大陸反攻」の実現のため彼らを頼った総統。双方の内面はいかなるものだったのか…。公開が始まった『蒋介石日記』をはじめ、台湾・アメリカ・日本に散在する膨大な資料を渉猟。関係者への緻密な取材から政治家・蒋介石の人間像と日本人軍事顧問団「白団」の活動の実態が浮かび上がる。

目次

プロローグ 病床の元陸軍参謀
第1章 蒋介石とは何者か
第2章 岡村寧次はなぜ無罪だったのか
第3章 白団の黒子たち
第4章 富田直亮と根本博
第5章 彼らの成しとげたこと
第6章 戸梶金次郎が見た白団
第7章 秘密の軍事資料
第8章 白団とはなんだったのか
エピローグ 温泉路一四四号

著者等紹介

野嶋剛[ノジマツヨシ]
1968年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学や師範大学(台湾)に留学。1992年朝日新聞社入社。佐賀支局、中国・アモイ大学留学を経て、2001年シンガポール支局長。イラク戦争の従軍取材を経験。2007年から2010年まで台北支局長を務める。現在、『AERA』編集部(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

14
戦後、台湾に渡り蒋介石国民党の軍事顧問団として、秘密裏に軍人教育等に従事した旧日本軍人で組織された白団の活動を通して、日台中の歴史を見つめ直す意欲作。単に白団の果たした役割を美談的に描くのではなく、組織内の人間関係の対立、金銭面の値上げ要求や、白団が台湾社会に及ぼした負の側面等も含め多角的な視点から考察がなされている。又、個人的に台湾へ渡った根本博の金門戦役での貢献度合いに疑問符を投げかける点も興味深い。しかし何と言っても蒋介石と日本との深い結び付きが改めて印象に残った。 2016/07/07

ハチアカデミー

11
戦後台湾に渡った旧日本帝国軍人たち、「白団」の活動を追った一冊。彼らは、「清朝、日本、蒋介石の国民党と、わずか百年のあいだに三つの「外来政権」に統治されてきた」台湾という場所の歴史的な複雑さを背景に、朝鮮戦争と当時の政治・社会に巻き込まれた人々であり、終わらなかった戦後を生きた人々でもある。戦前・戦後はけして分断されたものではなく、連続性を持つものであったことがわかる。同時に終戦後すぐに「以徳報怨」演説をおこない、かつての敵である日本の助けをもとめたのかなど、証言と資料から蔣介石の行動の真意も探る。2015/07/04

Apoptosis

4
存在をどこかで読んだ「白団」の活動を資料に基づいて詳述。蒋介石の人となりから始まる冒頭はやや冗漫に感じてしまったが、読み進むうちにそこが生きてきて、著者の周到な構成力に感服。蒋介石の「以徳報怨」演説は有名でも、その恩義を感じた日本軍人が蒋介石・国府軍に協力するという単純な図式だけでは、「白団」活動が20年近くも続いたことを納得できなかった。守るべき国を失い期待されざる者になった旧軍高級将校にっとって、終戦詔勅で戦争は終わらなかったのだと教えられた。一級の史料だった。2015/11/07

takao

3
ふむ2024/02/15

かに

3
蔣介石の「以徳報怨」に報いるべく、日本軍人が台湾へ国共内戦を「白団」を結成し、戦う。 蔣介石の評価は賛否あり、どんな人物か深く知ってみたいと思った。2023/11/02

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