出版社内容情報
秋田犬・五郎丸は、いく人かの飼い主を得ることになった。その生涯は幸せだったのか。乱歩賞作家が動物を通して人間を描いた連作集。
秋田犬・五郎丸は、いく人かの飼い主を得ることになった。その生涯は幸せだったのか。乱歩賞作家が動物を通して人間を描いた連作集。
内容説明
さまざまな人間・家族と関わった秋田犬・五郎丸の奇縁の一生。人と犬の関係を見つめ直す書き下ろし連作短篇集。
著者等紹介
三浦明博[ミウラアキヒロ]
1959年宮城県生まれ。明治大学商学部卒業。広告製作会社でコピーライターとして勤務。89年にフリーに。2002年『滅びのモノクローム』で第48回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
38
秋田犬「五郎丸」の不思議な生涯。大きな秋田犬を火葬するシーンから始まり、縁して来た人々との関わりを描く。転勤族の夫婦の身勝手さに腹立たしく思い、可愛がられた一家との別れに涙。震災との絡みも不自然なく読めた。関わった人に幸せを与えた「五郎丸」、感動の1冊に!ロクとおじいさんの未来が明るいものでありますように。2013/11/26
BlueBerry
29
トーンが暗いのであまり楽しめなかったかな。2014/02/21
蒼
22
五郎丸、生まれてきて幸せだったと思ってくれる? 人間達の勝手で不安な思いに押しつぶされそうになった事も許してくれる? とても賢明で聡明で人間への愛情を全身から放っていた秋田犬の五郎丸。最後まで人間を見捨てず、生きる希望を提示してくれてありがとう。2021/03/19
あっちゃん
22
犬では無いけど、うちも猫が居るので、感情移入してしまって、やるせなさが先に来て五郎丸が優秀なだけに哀しさが残った!人間の勝手で転々とする五郎丸が最後にたどり着いた所が、かつて1番幸せだった所か?( ̄▽ ̄)2020/05/30
itica
17
五郎丸、穏やかで賢い秋田犬。人間の事情で次々と飼い主が変わり、最後は誰も看取るものが無くたった一匹で息を引き取った。出会った人々に幸せな時を与え賢い犬と褒められはしたものの、人間の都合に振り回された五郎丸は幸せだったのかとつい考えてしまう。しかし最終章は感動的だった。五郎丸の生涯を終えた場所が何故あそこだったのか腑に落ちると泣けてくる。犬は人間にとってペットと言うよりパートナーと呼ぶ方が近いのかもしれない。 2012/08/17