出版社内容情報
かたくなに軍隊の規律を守る青年と、素朴な老人のユーモラスなやりとりを通して、イタリアアンデルセン賞受賞作家が描く戦争の愚かさ
いつでも優秀な兵士でありたいと、軍隊に忠誠を誓う、クリエグの町の青年カスパール。「りっぱな兵士であるための9か条」が書かれたメモを肌身離さず持ち歩いていた。
カスパールに言いわたされた任務は、「風の山」の頂上にある風車小屋の監視。彼は質問ひとつすることなく、ただちに任地に向かった。
それは小さなみすぼらしい小屋で、敵の気配などなく、毎日のようにやって来る者といえば、雌牛の「ももちゃん」と、飼い主であるしわだらけのおじいさん、そしてつまみ食いのためにやってくる1匹の小ネズミくらい。それでも、カスパールは生真面目に任務を遂行しようとする。
クリエグの町に、いよいよ敵が攻めこんできた。おじいさんは、自分も戦いに参加すると言って山を降りていく。それでもカスパールは、風車小屋を忠実に見張りつづける。残されたももちゃんの世話にも、すっかり慣れてしまった。
ふたたび山に戻ってきたおじいさんだが、あるとき、姿を見せなくなってしまった。
カスパールは、初めて命令を破り、小屋の見張りから離れ、老人の家を訪ねることにした……。
イタリアの新しい児童文学作品です。
生真面目に任務を遂行しようとするカスパールと、ちょっかいを出してくる老人のユーモラスなやりとり。それにひかれて読み進むうち、同時に戦争のむなしさも伝わってくる傑作です。
イラストはユーモア絵本の新星、シゲタサヤカ氏。これまでにあまりなかったタイプの、戦争をテーマにした児童文学です。
※小学5年生以上の漢字にルビ付
【著者紹介】
イタリアの児童文学作家。獣医をしながら、数多くの児童書を執筆する。2009年、イタリアアンデルセン賞の最優秀作家賞を受賞。
内容説明
カスパールは、小屋を見はりつづける。たとえ、敵がひとりもやってこなくても…。イタリアアンデルセン賞受賞作家がユーモアをまじえて描く、戦争のむなしさ。
著者等紹介
スガルドリ,グイード[スガルドリ,グイード][Sgardoli,Guido]
1965年、イタリアのベネト州に生まれる。2004年に児童文学作家としてデビュー。獣医として働きながら、多くの作品を発表している。2007年、『りっぱな兵士になりたかった男の話』で、イタリア・アブルッツォ州ペンネ市主催の文学賞であるペンネ賞(児童文学部門)を受賞。2009年には、イタリアアンデルセン賞の最優秀作家賞を受賞した。現在、イタリアでもっとも人気のある児童文学作家のひとり
杉本あり[スギモトアリ]
出版社勤務を経て、イタリアへ留学。滞在中に、日本の雑誌向けの記事を書くようになる。帰国後、フリーのライター、編集者、翻訳家として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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