会社員とは何者か?―会社員小説をめぐって

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会社員とは何者か?―会社員小説をめぐって

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  • サイズ A5判/ページ数 327p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062176019
  • NDC分類 902.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

源氏鶏太、山口瞳、絲山秋子、長嶋有、津村記久子らの小説を俎上にあげ、「会社員」という言葉・存在に潜む謎に迫る「会社員小説論」

果たして会社員は小説の主要な登場人物になりえるのか? 著者はこんな命題を抱え、会社員が主人公の古今の小説に切り込んでいきます。取り上げられるのは、源氏鶏太、山口瞳、庄野潤三、黒井千次、坂上弘、絲山秋子、長嶋有、津村記久子、カフカ、メルヴィル……。そこから見えてくるのは、自明なものとして受けとめられている「会社員」という言葉・存在に潜む謎だった。いったい、会社員とは何者なのか?

【著者紹介】
伊井直行(いいなおゆき)…1953年、宮崎県生まれ。83年「草のかんむり」で群像新人文学賞、89年『さして重要でない一日』で野間文芸新人賞、94年『進化の時計』で平林たい子文学賞、2001年『濁った激流にかかる橋』で読売文学賞受賞。他の著書に『お母さんの恋人』『青猫家族輾転録』『愛と癒しと殺人に欠けた小説集』『ポケットの中のレワニワ』『岩崎彌太郎「会社」の創造』などがある。

内容説明

源氏鶏太「英語屋さん」、山口瞳「江分利満氏の優雅な生活」、庄野潤三「プールサイド小景」、黒井千次「メカニズムNo.1」、絲山秋子「沖で待つ」、長嶋有「泣かない女はいない」、津村記久子「アレグリアとは仕事はできない」、カフカ「変身」、メルヴィル「バートルビー」ほか。会社員小説から、独自の視点で展開する「会社員論」。誰も気づかなかった「会社員」の謎に迫る、まったく新しい文学論。

目次

ヒヨドリの羽ばたき
私が会社員だったころ
「サラリーマン」という言葉の二重性
「サラリーマン」という言葉の知られざる履歴
小説と職業生活
「経済小説」と会社員小説
会社員小説の射程
会社員小説の定義―階調の内にとどまる
会社員という視点
源氏鶏太の「サラリーマン小説」
会社員小説としての「プールサイド小景」
二等車の乗客
砂漠を愛する人
ゲームの空間
会社と家庭をへだてる川
法人としての会社員
会社員の誕生―岩崎彌太郎と初期三菱
会社の仕事と人間の労働―黒井千次の試み
会社員小説としてのカフカ「変身」
メルヴィル「バートルビー」―未来の人間

著者等紹介

伊井直行[イイナオユキ]
1953年、宮崎県生まれ。83年「草のかんむり」で群像新人文学賞、89年『さして重要でない一日』で野間文芸新人賞、94年『進化の時計』で平林たい子文学賞、2001年『濁った激流にかかる橋』で読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スノーマン

21
予想外の分厚さと私の興味のベクトルの違いに、気になるところだけ読了。会社員小説の紹介だけではなく、細かく分析。私の中での会社員小説といえば、津村記久子かなぁ。『アレグリアとは仕事ができない』かなり前に読んだと思うので、もう一度読みたい。2020/05/18

Mc6ρ助

3
会社員小説を通じて、会社員を問う。古今に会社員を会社員として扱った小説は少数らしい。いわゆる日本的雇用に通ずるかと思えばさにあらず、カフカの「変身」も会社員小説なりと。村上龍の13歳のハローワークに営業、企画、総務などサラリーマン(著者によると会社員と)のお仕事が一切なかったことにこんなところで納得する、ことほどさように、会社員とは得体の知れないものであるらしい。2016/10/14

Sosseki

3
雑誌連載「会社員小説をめぐって」の書評。漱石から、企業小説、カフカまで取り上げ、かなり面白い書評もあったが、筆者の狙いだったのか出版社の命名か「会社員とは何者か?」なんて題は期待外れ。個人的直観だが「役人(公務員)とは何者か」ならまだ成立つのではないか?2012/06/02

gixtc990

2
自分も所謂会社員ですが、会社員をテーマにした小説の解説を通じてこんなに難しく考える人がいるんだなぁというのが、正直な感想。会社で過ごしている自分とそれ以外で過ごしている自分という風に分けて考えるとなる程なぁと思うところもありました。2015/06/26

kan

2
会社員は個人(格)として小説の対象になりうるのか、会社員のON TIME は疎外された労働の時間帯でしかなく、全人格から分裂した自己でしかないのか、いわゆる企業物経済小説ではない属性としての会社員小説は成立するのかを論じた現代社会論。2013/04/17

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