月の少年

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  • サイズ A5判/ページ数 82p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784062173636
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

沢木耕太郎初の、子ども向け読みもの。彫刻家のおじいさんと暮らす冬馬が、満月の夜、小舟に乗った横笛の上手な少年と出会うと……。沢木耕太郎が描く、少年の心、いのちの輝き。
湖のほとりで暮らすおじいさんの一軒家に、引っ越してきた少年が体験する、ふしぎな物語。

小さな湖のほとりに、木でできた家が一軒ぽつんとたっています。冬馬は、その家で、彫刻家のおじいさんとふたりで暮らしています。おとうさんとおかあさんが死んでしまい、おじいさんに引き取られてきたのです。おじいさんはその家を「みずの家」と呼んでいました。                               ――本文より

著者初の児童向け書籍です。絵本「わるいことがしたい!」との同時刊行で、今後継続的に刊行していく沢木耕太郎氏児童書シリーズの第1弾。気鋭のイラストレーター浅野隆広氏が全見開きに描いたイラストレーションが、読者をファンタジーの世界に誘います。

沢木 耕太郎[サワキ コウタロウ]
著・文・その他

浅野 隆広[アサノ タカヒロ]
著・文・その他

内容説明

湖のほとりの一軒家で彫刻家のおじいさんと暮らしている冬馬が、満月の夜に見たものは?沢木耕太郎が描く、少年の心、いのちの輝き。

著者等紹介

沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947年、東京都生まれ。横浜国立大学卒業。’79年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、’82年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、’85年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、’93年『深夜特急第三便』でJTB紀行文学大賞、2003年それまでの作家活動に対して菊池寛賞、’06年『凍』で講談社ノンフィクション賞を受賞

浅野隆広[アサノタカヒロ]
1967年、北海道生まれ。多摩美術大学卒業。書籍、雑誌の挿画などで活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

118
湖のほとりでおじいさんと暮らす冬馬は満月の夜、舟の上で笛を吹く少年に出会う。浅野の神秘的な作画がページの半分を占め、湖の静けさや月の光の柔らさが物語の世界観を表徴している。他の風景描写も沢木の端正でゆるやかな文章とマッチしてて美しい。おじいさんは彫刻で、冬馬は少年との交流を通して身内を喪失した名もなき心情をある形にして自分と向き合ってゆく。何も強要しないおじいさんはあまり出てこないが役割は重い。大きな岐路に佇む人間には、こうして静かに見守る配慮も大切だ。一見ファンタジーテイストの児童書でも大人目線の作品。2022/06/15

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

60
両親を海の事故で亡くした冬馬は、湖のほとりに住んでいるおじいさんと一緒に暮らすことになりました。やがて冬馬は学校にも行かず、毎日夜遅くまで起き明け方に眠るようになりました。そんなある満月の夜、冬馬が湖で目にしたのは・・。この物語のおじいちゃんのように無理に励ますのではなく、時にはそっと見守り続けることも大切だなと思いました。幻想的で今にも笛の音が聞こえてきそうな浅野隆広さんの絵が素敵でした。★★★2012/07/26

Y2K☮

44
この本に敵はいない。確実に世界中の皆が好きでしょう。ドアーズの名曲「ムーンライト・ドライブ」を脳内再生しつつ読了。赤いパーカー、茶色い髪、青い空、緑の湖。でも全ての色は光の加減、時の経過に伴って少しずつ移ろう。おじいさんの創る彫刻もそう。そんな中で一定の旋律を奏でる不思議な笛。ずっと静かに見守ってくれる誰かがいると思えればこそ、人は心安らかに変われるのかも。誰か、とは家族や恋人に限らない。人間じゃなくても構わない。何なら一冊の本で大丈夫。ただ、そこにいてくれればいい。夜空の月の様に変わり続ける不変の尊さ。2017/10/13

土瀝青

22
図書館本。少年が、自分の心で感じていることについて自分で考える。おじいさんがそれを寡黙に見守るというのは児童書の大道ですが、その二人の関係が絶妙。広がる世界や時間の流れが穏やかでいい。挿絵も物語に合ってきれいな本です。2016/07/27

ほんわか・かめ

19
図書館YA棚。沢木耕太郎さんの児童書。水の事故で両親を亡くした男の子は、湖の畔の家に暮らすお祖父さんに引き取られる。次第に学校に行けなくなり、明け方にようやく眠るような生活。不思議な少年との出会い。会えない人を想う気持ち。心の中にある名前のないものを見つめる作業。彫刻家のお祖父さんが教えてくれた、彫刻に取りかかる際の心構えが目からウロコ。そういえば運慶もミケランジェロも同じようなことを言っていたかも?今度満月を見上げたら、少年とそのお母さんの姿が見えるような気がする。〈2012/講談社〉2023/06/14

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